1990年1月、神奈川新聞社から刊行された加藤幸子の詩集。解説は北村太郎(1922~1992)。
子供がよく、石ころとか壊れた機械の部品とか、大人から見れば取るに足らないガラクタを、宝物にしていることがあります。
私と自作詐との関りも第三者が見たら、それと似た類いのものかもしれません。しかし私にとっては、忘れ難い、或いは忘れたくない心の一齣が込められており、拙いながら宝物以外の何物でもないのです。
そんな訳で、この詩集作りはそれらをまとめて入れて置く大切な宝箱を作る心持ちでした。
末筆ながら、ともすれば独走脱線破綻しがちな私の詩を、御指導下さいました北村太郎先生、作品を通じ触発して下さった「海都」の方々、またかつて様々の煬にあって、詩についての諸々をお話し下さった諸先生、詩友の皆様に厚く御礼申し上げます。 (「あとがき」より)
目次
I
- その花
- 火口湖
- 紅葉
- 橋
- くちなし
- その山
- 夕刻
- 椿
- 崖の上
- 土蔵
- 冬景
- ある海辺
Ⅱ
- 大樹
- 蜘蛛の糸
- 日曜日の朝
- 流れ
- 道すがら
- 凪
- 休耕田
- 春の雪
- 風道
- 絵の中の時間
- 冬の海