2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

暗星のうた 中江俊夫詩集

1957年11月、的場書房から刊行された中江俊夫の詩集。第1~第3までの私家版詩集合本。 目次 ・魚のなかの時間(一九五一年六月―一九五二年十一月) 物音 記憶 夜 わたしは 夜と朝のこと 樹 山 秋について 春 夜明け 地上で 夜と魚 人魚と魚 地球 夕方 山 雲 …

根府川へ 岡本敬三

2003年10月、筑摩書房から刊行された岡本敬三(1950~2013)の短編小説集。装幀は望月通陽。「日々の余白」は2001年度新潮新人賞最終候補作品、「根府川へ」は2002年度太宰治賞最終候補作品、「無言歌」は2003年度太宰治賞最終候補作品。 千円札を一枚、ズボ…

手 君本昌久詩集

1960年5月、昭森社から刊行された君本昌久(1928~1997)の第2詩集。装画は若林和男。 これは、ボクの㐧二詩集である。 ここに収めた詩は、一九五七年から五九年の三年間に書いたものから二十五篇をえらんだ。一部は主として手についてまとめたものであるが…

贋の破片 君本昌久詩集

1956年3月、ONLYONE詩人グループから刊行された君本昌久(1928~1997)の第1詩集。 これらの詩については作者はあまり言う気持になれない。詩に驚愕をもたらせようとしたが、こゝには驚がない。何によって読者の心を触発せしめよう。それを思うと口をつむっ…

定年記 三輪正道

2016年7月、編集工房ノアから刊行された三輪正道(1955~2018)の第5著作集。装幀は栗津謙太郎。 長年聴いてきたNHK・FM番組の日曜喫茶室で司会をつとめていた、はかま満緒氏の訃報を、帰郷していた二月十八日、福井新聞で知った。三十九年まえ、ふるさと鯖…

残影の記 三輪正道

2011年11月、編集工房ノアから刊行された三輪正道(1955~2018)の第4著作集。装幀は粟津謙太郎。 どうにか、第四創作集をまとめることができた。前著『酒中記』から六年が経ち、ぽくも今秋で五十六になる。昨春、神戸在住二十年にして会社の借上げ宿舎を出…

うた・連珠 岡田兆功詩集

1964年6月、海の会から刊行された岡田兆功の第3詩集。 目次 Ⅰ 偏執 追伸 おそい朝のダビのうた Ⅱ 夜のうた うた(六篇) うたの日 Ⅲ 匍匐抄 Ⅳ 頌 朱 開幕 後記 日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

酒中記 三輪正道

2005年12月、編集工房ノアから刊行された三輪正道(1955~2018)の第3著作集。装幀は粟津謙太郎。 今秋で、ぼくも五十路入り、知命の歳となりました。七月に、五年の堂島勤めを終えて、近江・湖国に二度目の勤めとなったとき、あの震災から十年、生きのびた…

天然 鳴戸奈菜句集

1992年4月、深夜叢書社から刊行された鳴戸奈菜(1943~)の第2句集。 『天然』は『イヴ』につぐ私の第二句集である。その間、およそ六年間の句から三二四句を自選し収めた。 さて、いま俳句で何が詠みたいのかと自問してみると、私にとって不可視の世界は可…

酔夢行 三輪正道

2001年12月、編集工房ノアから刊行された三輪正道(1955~2018)の第2著作集。装幀は栗津謙太郎。 四十代に入ってまもなく出版の願いが叶い、望外の幸せを味わったのは一九九六年の秋だった。同人誌に書き綴ったものが一つの形ある本となり、未知だった人の…

泰山木の花 三輪正道

1996年10月、編集工房ノアから刊行された三輪正道(1955~2018)の第1著作集。装幀は粟津謙太郎。 三十代の終わりをむかえ、幾つか同人誌に書いたものを一冊にしてもイイなあ、と思い準備にかかっていた。一年ほど前から自分でも不思議と思えるほど日々の暮…

海辺の家以降 前田鐵之助詩集

1979年10月、詩洋社から刊行された前田鐵之助(1896~1977)の遺稿詩集。表紙絵は前田富子。 目次 余燼 夕餉 高潮襲来 冬の海辺 波の上 ひばり 春の岬 未完成交響曲 残暑――昭和四十八年の異常な酷暑を録して 夏の終り 磯辺 冬の身辺 白せきれい 偶成 無休動 …

カツベン 詩村映二詩文 季村敏夫編

2020年6月、みずのわ出版から刊行された詩村映二(1900~1960)の詩文集。編集は季村敏夫。 目次・詩篇 早春 北よ! 敵 催眠術 海愁 日記 望郷 虚身 屍風 亡命 白日 秩序 俗情 孤独 夢牀 童話 日蝕 月蝕 挽歌 倫理の小径 ロマン 廃園 一飛行家の家計簿 暦 天…

黄昏の椅子 市橋隆之助詩集

1983年5月、私家版として刊行された市橋隆之助の第3詩集。 年ごとに気力と情熱がおとろえて凡庸の身のかなしさに、思考を練ることもなく思ふままに書いた茲二年間の作品から集めた五十篇がこの第三詩集です。 きまった軌道をさまようだけで、言葉の海に難渋…

虹のかけ橋 市橋隆之助詩集

1982年7月、私家版として刊行された市橋隆之助の第2詩集。 昨年詩集「冬の鳥」の発刊にあたり、三十年前の詩稿に目をとおしましたとき、当時を思いうかべてはるかな感動を覚えました。 そしてこれを動機に、これまで数々の動乱の世代に生きてきた心の軌跡を…

冬の鳥 市橋隆之助詩集

1981年6月、私家版として刊行された市橋隆之助の第1詩集。 長良川のほとりに、明け暮れうつり変る流れの表情に、明暗の日々をすごしております。 いつの日にか、清流に多くのメダカや泥鰌が棲み、夕暮れの河原に月見草が咲いて、藻の匂いが漂う小石の上で、…

感泣旅行覚え書 小山正孝

2004年6月、潮流社から刊行された小山正孝の散文集。装画は下澤木鉢郎。 目次 一 初期短篇小説 臨海学校 遅花 秋色 晩秋の回想 二 感泣旅行覚え書 前篇 歩行における二三の失敗 弘前市内 浪岡 金木町 万ン茶ン(一・二) 原宿近辺(一・二) 大鰐 石川 穴の話 代…

私有制にかんするエスキス 付・ランボー論 飯島耕一

1970年4月、思潮社から刊行された飯島耕一(1930~2013)の詩集。デッサンは中西夏之。ブックデザインは平昌司。 目次 見えるもの 私有制にかんするエスキス 過ぎし戦いの日々を想う八月の詩 夏のエスキス 眼のエスキス 所有者と被所有者の時のエスキス 質問…

もんしろちょうの道順 柿沼徹詩集

2012年6月、思潮社から刊行された柿沼徹の詩集。写真は二月空。 目次 雨空 コロのこと 枠外 脚注 アオキくんのこと もんしろちょう 葉先の虫 やり方 ハナミズキ 金木犀 しわくちゃ 羊歯 林檎 山肌 予定地 朝 シノハラさんのこと 四十億年前のこと 川べりヘ …

魚歌 齋藤史歌集

1940年8月、日本打球社から刊行された齊藤史(1909~2002)の第1歌集。装幀は棟方志功。新ぐろりあ叢書14。著者は東京市四谷区生まれ。 齋藤史さんは僕にとつて十何年來の親しい友であり、また僕の主宰する歌誌「日本歌人」の最重要同人のひとりとして、常に…

海景 佃学詩集

1978年3月、母岩社から刊行された佃学(1938~1994)の第4詩集。造本は緑川登、版画は稲木秀臣。 目次 Ⅰ 繁忙 六月の午後から 巻貝のように 海難メモ 夢のコラージュ Ⅱ 十月の火は…… 不帰行 卵巣 人生を病む(断片) 『涙男』の独白 はじめも終わりもなく Ⅲ …

かきがら 小池昌代

2020年9月11日、幻戯書房から刊行された小池昌代(1959~)の短編小説集。カバーは水野里奈。 本書には、七つの短篇をおさめた。冒頭の一篇「がらがら、かきがら」は、本書のために書いた。牡購の季節は終わりかけていたが、わたしはこれが最後かと思いなが…

蜘蛛出版九十九冊航海記 君本昌久

1990年6月、蜘蛛出版社から刊行された君本昌久(1928~1997)の回想録。君本は蜘蛛出版社社主。99冊の内訳は、詩集85冊、歌集2冊、句集1冊、随筆1冊、小説2冊、評論5冊、記録1冊、論文1冊、書集1冊。 目次 一九六一年の出発 蜘蛛・出版・エトセトラ 一九七〇…

魔空 ポリーナのうた 小久保泉歌集 

1970年11月、不動工房から刊行された小久保泉の第2歌集。 目次 第一の歌 幻を熾すと 第二の歌 夕を昇り 第三の歌 朝を盲い 第四の歌 昼を折り 第五の歌 疾走に堪え 第六の歌 空間を妬み 第七の歌 森は眠らず 後記(この疼くもの) NDLで検索Amazonで検索日本の…

汐 長沢美津歌集

1958年9月、新星書房から刊行された長沢美津(1905~2005)の第7歌集。装幀は三岸節子。女人短歌叢書第48篇。 目次 自 昭和三〇年三月至 昭和三三年七月 潮 水 追儺 風の日 青山墓地 季節風 牡丹 修学院離宮 悼 燕 影 針供養 旅の夜 月の暈 志賀高原 帰郷 母…

行きかう詩人たちの系譜 和田英子

2002年12月、編集工房ノアから刊行された和田英子による評伝。 目次 ・ある出会い ある出会い――廣瀬操吉と小熊秀雄 『一九二九年関西詩集』 「神戸文藝」投稿の頃――足立巻一少年 盛岡――富田砕花出身地 富田砕花「創作」・「詩歌」の頃 ・歌集『白樺』ほか 歌…

棄民 辛鐘生詩集

1981年9月、青磁社から刊行された辛鐘生(1950~)の第2詩集。装幀は直井和夫。 目次 クー なぜそうならないか 航海 パラミイヤギ ハードル どこって言われても…… 過疎の系譜 互いに民族と呼べるもの 家路 良好とする だけ 棄民 たそがれ 存在のはずれで 悪…

ぼつぼつぼちら 暮尾淳

2005年10月、右文書院から刊行された暮尾淳(1939~)の詩文集。編集は堀切直人。装幀は古舘明廣。第21回詩歌文学館賞候補作品。 目次 Ⅰぽつぽつぽちら 春の夜の風 或るバーでの昔ばなし 五月の夜のいたみうた 同級生 世紀末みぞれ降る夜に ヘール・ボップ彗…

妣が国 大阪 池田はるみ歌集

1997年8月、本阿弥書店から刊行された池田はるみ(1948~)の第2歌集。装幀は近藤浩子。第6回ながらみ現代短歌賞、第23回現代歌人集会賞受賞作品。 阪神大震災の後から、わたしの目の前にわずかな蛍が飛ぶようになりました。 あの日、私はいつものようにぼう…

足裏をひるがえして 江嵜一夫詩集

2006年3月、私家版として刊行された江嵜一夫の第3詩集。 街を歩いていて、街並みが途切れて小さな空間に突き当たるときがある。それが空き地、あるいはちびっ子広場だったり、公園だったりする。 この小さな空間は、あとがき・編集後記に似ている。著者や編…