天然 鳴戸奈菜句集

f:id:bookface:20200818091553j:plain

 1992年4月、深夜叢書社から刊行された鳴戸奈菜(1943~)の第2句集。

 

 『天然』は『イヴ』につぐ私の第二句集である。その間、およそ六年間の句から三二四句を自選し収めた。
 さて、いま俳句で何が詠みたいのかと自問してみると、私にとって不可視の世界は可視の現実の世界と密着、共存していて、ときに前者の方がリアリティを帯びて存在してみえることがある。そんなわけで、たとえば自分の中の混沌とした潜在意識とか夢想といったものを、他ならぬ俳句形式によって、可視の世界の事物と同じくらい具体的に実感を伴えて表現できたらよいと思う。そして終局のところ、作品に、さらには言葉そのものにどれほどリアリティを持たせられるかが私の大きな課題である。
(「あとがき」より)

 


NDLで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索