1981年7月、拍樹社から刊行された桐生清次(1933~)による小林ハルの口伝。
装幀は下嶋哲朗。
目次
まえがき
第一章 生いたち
- 寝間にいる子はいい子だよ
- 鍼医者なんかいやだ
- 瞽女にもらわれる
- 厳しいしつけ
- 五ヵ月かかった針みずとうし
- 米納津通い
- 初げいこ
- 寒げいこ
- 神様がみているから
- 表はいいなあー
- ぽんぽん下駄
- 盲だと教えられる
第二章 瞽女として旅に出る
- 初旅――下田村へ
- 寺のお御堂に泊まる
- 葎谷の宿
- 塩川の宿
- 弟子チヨ
- このガキ、口を縫ってやる
- お弥彦様のごちそう
- 親方しょの花見
- 木の穴に泊まる
- 会津への長旅――吉が平から空堀へ
- 空堀の宿
- 田代の宿
- 田代から遅沢へそして叶津へ
- 会津での生活
- なるものごちょうじ
- 二番病み
- おこりにかかる
- おんぶされての門付け
- 遅場の旦那様で
- 八十里峠
- ヘビのキン
- 読売の文句を唄ってほめられる
- おしっこするから手をはなせ
- 楢戸のじさまに拾われる
- 教えない唄をうたったから
- かち栗
- お宮に泊まる
- 母親がこの世を去る
- 三味線の撥を踏む
- 石をたたいての門付け
- 弁天様のふるまい
- 若い衆にだかれて
- 新しい大人三味線を買ってもらう
- 新しい三味線を破られる
- 若いしょのいたずら
- 二丁三味線
- 新しい着物をこしらえてもらう
- 荷物しらべ
- 樋口フジ親方から離れる
- クニさんに捨てられた親方
第三章 親方をかえる
- サワさんとの出会い
- サワさんの家で
- サワさんの弟子になる
- 三味線をとられる
- 長岡の瞽女屋敷でのけいこ
- 米沢への旅
- 金子の旦那様
- 信徳丸を唄って宿を追われる
- 年寄りの世話
- くせやみ
- 下方のあまり、はなれ瞽女
- 堀こに落ちる
- 川蒸気に乗って長岡へ
- おサワさんが亡くなる
- 再び会津へ行く
- 長岡組をやめる
第四章 皮張りの三味線
- 夜の唄と三の糸
- 湯治場でのリンゴ売りと流し
- 米沢での百人泊め
- 皮張りの三味線
- 女の声と間違えて泊まる
- テイのいたずら
- 吹雪の山で立っていた
- ヨシミをもらう
- ヨシミを連れて米沢へ
- おキイさんの子守り
- ヨシミが肺炎で亡くなる
- テルヨが私の弟子になる
- おキイさんのところをやめる
第五章 親方となる
- 長岡で宿を見つける
- テルヨとミドリが相手をみつける
- テルヨをかかり子に決める
- 千吉の家に入る
- 魚沼の家から女川へ移る
- 薪買い
- 寒中、戸外で夜をあかす
- 女川から長岡の天理教へ
- 長岡の空襲
- 終戦の日
- 長岡へもどる
- できものをだす
- 面倒だった夏休みの日記帳
- 長岡から再び女川へ
- 女川での生活
- セツが弟子になる
- キミ、しもやけの足にまめをでかしお宮に泊まる
- 曽郷の優婆様へ
- キミが逃げていなくなる
- 病気の手引きを連れて門付けに歩く
- 警察に調べられる
- 女川から加治へ
- 出湯へ
- 老人ホームに入る
- やすらぎの家へ
あとがき