1990年11月、思潮社から刊行された垂水千賀子の第3詩集。装幀は菊地信義。栞文は北村太郎。
タイトルからしてすごい。『十ー月殺日』とは、つけもつけたり、である。わたくしは原稿の段階で二十篇の作品を読み、頭がくらくらしてしまって、またしばらくしてから、もう一度読み返したのだが、その間、どういうわけか、このタイトルを『十一月狂日』と覚えこんでしまった。むろん、それは近来とみにひどくなったこちらの老耄(ぼけ)のせいにちがいなく。しかし、〈狂〉と〈殺〉には相通じる意味があってのことでもあろう。これら二つの漢字に共通しているのは、ひとことでいえば〈劇〉、つまりくはげしさ〉であり、また〈ドラマチック〉ということだ。
(「したたかな〈殺〉性 北村太郎」より)
目次
- 大いなる門出
- 十一月殺日
- 記憶の乞食
- 黒い珠
- 大きな口
- 穴の赤ん坊
- こんにゃく列車
- 発狂幇助の使徒
- ゴールのランナー
- みんな行ってしまった
- 慢性円型脱毛症
- あげます
- ぬいぐるみ
- どうかそうしてください
- 夕暮れの散歩者
- 祈りの姿勢
- 青年
- 曇天
- 双児
- 友達
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