1988年9月、皓星社から刊行された國満静志(1912~1987)の詩文集。著者は旧制高校卒業後にハンセン病発病。1938年長島愛生園に入所、1941年逃走、1947年多磨全生園入所。1957年から入退所を繰り返す。1972年以降は多磨全生園で過ごす。
目次
・詩 このいのちを
- 径
- 椿の花
- 冬にも花を
- 山茶花
- 早春の譜
- 雨降りいづる
- 露草
- 遠い空
- 花をみつめて
- 驟雨の来るまえ
- さすらい
- 道
- 秋風の中に
- 秋刀魚を焼く
- 夜の雪
- 薊の花
- 友よ
- 流燈
- 杏の花
- ちぎれ雲
- 破れた芭蕉の葉
- 旅の日に
- 水蜜桃に寄せて
- 干柿
- 蜀黍
- 星の寂かな夜に
- 花のように
- なみだ
- 再びの人生を
- 菜の花あかり
- 雨
- 夜の雲
- 郭公
- 旅情
- ゆすら梅の実は紅く
- 雨の降っている夜
- 蛙
- 柚子の果実
- 蕗の薹
- 昨日は昨日
- ふるさと
- 泪
- 寒い夜に
- このいのちを
・創作 漂泊の日に
- 漂泊の日に
- 旅泊
解説 國本衛