2001年6月、ワニ・プロダクションから刊行された甲田四郎(1936~)の第8詩集。装幀・装画は内田克巳。第4回小野十三郎賞受賞作品。著者は東京生れ、刊行時の住所は大田区大森北。
八番目の詩集です。前の詩集を出してから六年、迷っていました。迷ったら初心に帰れというので、帰った初心をバネにして先へ当たって跳ね返って、またバネで弾んでまた跳ね返る、忙しさにくたびれてまた跳ね返り、これ以上立ち往生していると日が暮れてしまうのでふっ切りを企て、それでも迷って、ワニ・プロダクションの仲山清氏に作品の選定編集をしていただきました。仲山氏にはその雑誌「鰐組」と二冊の詩集刊行でお世話になり、よく知っていただいている思いがあります。ここには八二年三月からことし四月までの作品がありますが、雑多なテーマは大別して笑いとその他になり、季節にポイントを置いて配列されると私の笑いというふうに見えてきました。深くお礼を申し上げます。装幀は画家で詩人の内田克巳氏にお願いしました。ケラの会という詩話会でご一緒で、いつかはという望みが叶って嬉しいです。厚くお礼を申し上げます。
(「あとがき」より)
目次
- 痛い休日
- 夏のどん
- さんさん
- わあ
- 真っ黒に焼けたアイロン
- 塩ジャケの煙
- ふつうだから見な
- 鬼志別
- 銀行員
- ゴミ袋
- 食べちゃいましょ
- ぐりぐり
- これヨーシ
- クリスマスイヴ
- 買いもの
- 今日はどこでも
- 冬の蝉
- 風の日
- 身構えて
- いいじゃないか
- 目印
- その角を曲がって
- 夜外へ出る
- 花嵐
- 緑の桜
- 花の季節
- 自転車
- 夜来るもの
- 陣場金次郎洋品店の夏
- 夕べのわかれ
あとがき