1977年6月、花神社から刊行された谷川俊太郎(1931~)の評論集。題字は谷川徹三(1895~1989)、装幀は著者。
人物論や書評、解説の類に加えて、本の帯や展覧会の案内葉書に書いた短い文章まで採ったのは、この書物に登場する人々に対する私の尊敬や共感の深さは文の長短に比例しないと思ったからである。
(「あとがき」より)
目次
- 飯島耕一――呼びかける声
- 石原慎太郎――苛立ちと〈何か〉
- 石原吉郎――〈文章倶楽部〉のころ
- 市川崑――市川さんの眼
- 今江祥智――にぎりしめたてのひら
- 岩田宏――勝手な想像
- 江頭正明・志津恒応――『手のように』について
- 大岡信――『彩耳記』 〈声のパノラマ〉に始まる……
- 柿沼和夫――静けさ
- 梶原しげよ――一羽の鳥
- 粕谷栄市――粕谷さん
- 金子光晴――『愛情69』金子さんに
- 北川幸比古――あらゆるものの影が……
- 北原白秋――白秋寸感
- 草野心平――草野さん
- 坂上弘――雲間の……
- 志賀直哉――鏡
- 篠原一男――本質的な本・十年
- 鈴木博義――黒いフォードの記憶
- 高田博厚――『人間の風景』
- 高橋睦郎――跋
- 武満徹――武満徹氏を訪ねて 武満徹と Where is he?
- 立原えりか――蝶を編む人の灰色のショール
- 谷川徹三――父の一面
- 田村隆一――田村さん らくだのチーズ
- 長新太――思い出の記
- 手塚治虫――『ぼくはマンガ家』
- 寺山修司――もつものともたざるもの 日本的心性の正統性
- 友竹辰――解題
- 友部正人――フリスビーと空部屋
- 中江俊夫――un croquis 中江俊夫再考
- 永瀬清子――永瀬清子の来た道・展
- 西村宏一――贅言
- 野上彌生子――妖精
- 萩原朔太郎――なつかしい一人の人格 ごはん粒をこぼす人
- 萩原朔美――FADING
- 波瀬満子――……
- 長谷川龍生――『虎』
- 久生十蘭――『黄金遁走曲』
- 星新一――にがい味 魂のありか
- 三木卓――『ほろびた国の旅』を読んで
- 三好達治――彌生書房版詩集後記
- 山川方夫――山川さん
- 山口洋子――Y・Y
- 山本太郎――『サハラ放浪』
- 湯浅譲二――セッサタクマ
- 吉田健一――『詩に就て』
- 和田誠――静かな誠
あとがき