1991年3月、思潮社から刊行された小池昌代の第2詩集。第6回現代詩ラ・メール新人賞受賞作品。ラ・メール選書8。
朝霞という土地に移り住んで半年。朝、突拍子もなく早く目が覚めて、マンションの窓から朝焼けを見た。
これは私の二冊目の詩集です。
詩を書くことでなく、こうしてまとめる作業には、いつも少しのむなしさがある。生きているうちに建てた、ちいさなお墓のようでもあって、今はなんだか落ち着かない。
しかし、これらの詩を書くときは、よろこびだった。書き終わったあとの不思議な足跡を眺めながら、その過程で流れていた時間こそを、うつくしくおもう。
(「あとがき」より)
目次
- 村へ
- under the tree
- 山響
- こども
- 浮力
- 調律の時間
- 天球の区分
- ねこぼね
- こぼさずに
- 四月の曲線
- 晴れ間
- あたりまえのこと
- 青果祭
- 生家
- 移季
- 以後
- 流離
- 結婚
- 妹は不在
- 作文
- たおやかな規律
- 砂の荷を積んで
- 岸と橋をめぐって
- 転校生