1983年3月、詩学社から刊行された北川朱実(1952~)の第1詩集。装画は高木雅彰。
私は暮色に包まれた風景が好きである。その中でポツンポツンとつき始めた家々のあかりが好きである。道を急ぎながら私はいつも、あかあかとした暖かい部屋を窓越しに覗いてみたいという欲望にかられた。
作品はそんな心の中のパッチワークみたいなものです。四、五年前から同人誌に発表したものの中から選びました。
(「あとがき」より)
目次
- 夏・挽歌Ⅰ
- 夏・挽歌Ⅱ
- 失なったものⅠ
- 失なったものⅡ
- ガン病棟から
- 六月
- 蟬
- 幸福――Mさんへ
- 四日市
- 十二月
- 鹿・奈良公園
- 三月
- パチンコエレジー
- 水族館より
- あじさい
- 詩作Ⅰ
- 畏れ多くも、天皇陛下に
- 古本屋
- 帰省
- サラダ
- 炉端焼
- 夕暮れ時のことば
- 香水
- 詩作Ⅱ
- 標本
- 画廊から
- スリップ事故
- とうとう来なかったものへ
- 履歴書
ゆるぎないまなざしへの喝栄 福中都生子
あとがき