1996年5月、鉱脈社から刊行された杉谷昭人の評論集。
目次
序の章
- 生きる意味 問い続ける詩
- 生きる意味 生きる力
- 詩、生活そして政治
- 心のうちの垣根
一の章
- 想像力の周辺――谷村博武詩集『南国の市民』について
- 詩人の歴史感覚――片瀬博子詩集『おまえの破れは海のように』について
- 詩語の象徴的機能――三好豊一郎詩集『小さな証し』を読んで
- 神話への道――三好豊一郎詩集『小さな証し』を読んで(続)
二の章
- 民話から神話へ――農民詩の可能性
- 民話の構造――民話はどこから生まれてくるか
- 肉声の力と魅力――詩朗読の今日的意義
- 肉声は回復できるか――片岡文雄氏を招いての朗読会の記録
- 「甲斐清子作品展」のこと
三の章
- ふたつの文庫――何が始まっているのか
- 主題としての「農村」「地域」 ――なぜいま地名なのか
- 批評は万能なのか――横木徳久氏へ
- 宮崎の詩・現在と展望
- 批評としての風土――宮崎の詩人たち
四の章
- いま詩人にとって「歴史」とは
- 日常を見つめる視点と方法
- 人を詩に駆り立てるもの
- 詩における「成熟」の意味
- 表現の向う側にあるもの
- 時代の求める「個性」
- 多種発信の時代の詩の諸相
五の章
- 時代の詩・普通の詩――美村幹のこと
- 立ちつづけた詩人――本多利通のこと
- 認識の総体としての詩――『本多利通全詩集』
- 『むすべぬ風景』のこと――西村光晴小論
- 『渡辺修三著作集』の意義
- 富松良夫の詩業――没後30年に寄せて
六の章
- 秋山江都子の冒険――詩集『帰らなくともよい所』を読んで
- 創造性への挑戦――鈴木東海子詩集『ロープ付きジャンプ』を読んで
- 自己主張としての曖昧性――鈴木東海子詩集『日本だち』を読む
- 現代への呪術の回復――本多寿詩集『聖夢譚』を読む
- 神話の方法――本多寿詩集『果樹園』を読む
- 主題としてのオキナワ――芝憲子・堀場清子・大崎二郎を読む
- 生死と等距離の人間存在――杢田瑛二詩集『裏口の声』を読む
- 知的に誠実な詩人――鈴木薫詩集『水を渉る』を読む
- 新延拳の詩の魅力――詩集『躾』を読む
- 詩作と構想力の詩――新哲実詩集『橋の上から』を読む
- 近・現代詩へのグローバルな評価――『昭和詩人論』を読む
- 「社会的主題」の意味――村田正夫詩論集『社会的主題』を読む
附章 フロスト試論
終章
- 憧れと成熟と
- 言葉をいつも視野に入れて――先生へのメッセージ
- 詩の現在
あとがき