2017年8月、編集室水平線から刊行されたハンセン病詩人評伝。装画は池野清「鳩笛たち」。
目次
はじめに
- 第一章『いのちの芽』のあとさき
- 多磨全生園 山下道輔さん、国本衛さん
- 『いのちの芽』にいたるまで――「園内文芸運動の隆盛
- 理解者をつくろう
- らいはアジア
- らい予防法の廃止と違憲国賠訴訟
- 第二章 教養講座のころ-
- 栗生楽泉園 谺雄二さん、越一人さん
- 松丘保養園福島政美さん
- 初対面、そのときの思い出
- 『高原』の詩の選者として
- 教養講座をつくる
- 時代の変化とともに
- 詩作を超えた活動のひろがり
- 第三章「交流(むすび)の家」にこめた夢
- 栗生楽泉園 コンスタンチン・トロチェフさん
- 数奇な生い立ち
- 第一詩集『ぼくのロシア』刊行
- 回復者を社会へ
- つきあいを広げる旅
- 第四章 楽団「青い鳥」とともに
- 長島愛生園 森中正光さん、河田正志さん、近藤宏一さん
- 戦後ハンセン病文学における「芽生え」
- 点字を舌で読む
- 光田健輔の評価をめぐって
- 島を渡るハーモニカの音色
- 第五章 私を立ち上がらせたもの
- 邑久光明園 中山秋夫さん、千島染太郎さん
- 『いのちの芽』参加者の印象
- 戦時以来の悪弊との闘い
- 詩の選者を永瀬清子に
- 天使とサタンの詩論――第一合同詩集『光の杖』
- 個々の顔を社会に向けて――第二合同詩集『こだま』
- 時流の中で――堂崎しげるさんの嘆息
- 「無償の句集」の発掘に取り組む
- 裁判に立ち上がる
- 第六章 語られない体験を詩に託して
- 大島青松園 中石としおさん、塔和子さん
- 瀬戸内海に浮かぶ島の療養所
- 戦時から戦後への文芸活動
- 大江満雄の青松園訪問
- 『青松』第一○○号記念の詩の選評
- 塔和子さんの登場
- 記録すること
- 『青松』編集長として
- 第七章 待望の詩」
- 菊池恵楓園『樹炎』の詩人たち
- 取材が叶わなかった療養所
- 『樹炎』の存在
- 藤本事件への支援
- 療養所の未来構想
- 未来に向けて放たれた言葉
- 第八章「来者」の声を受けとめる
- 星塚敬愛園 島比呂志さん
- 空はアイヌのいれずみ色
- 文芸同人誌『火山地帯』の創刊
- 『火山地帯』の復刊
- 来者は追うべし
- 裁判の提起、そして念願の社会復帰へ
- 第九章 医学と詩学とのつながり
- 神山復生病院 藤井俊夫さんの詩、その他
- 現代の宗教性
- 東北二園――大江が訪ねなかった療養所の詩①
- 奄美・沖縄三園――大江が訪ねなかった療養所の詩②
- 自己と非自己の相克――島田等さんの大江満雄論
- 関係的誠実をもとめて
大江満雄とハンセン病療養所の詩人たちに関する年譜
参考文献
人名索引
ハンセン病療養所一覧
あとがき