2016年12月、「茨木のり子への恋文」刊行事務局から刊行された戸村雅子(1941~)による茨木のり子評伝。装幀・装画は長谷川結。著者は山形県大石田町生まれ、鶴岡市在住。「茨木のり子六月の会」事務局長。
この本は鶴岡市在住の戸村雅子さんが、まさに茨木のり子の三つの軌跡に関わる庄内ゆかりの人々を訪ね歩き、取材をされた貴重なルポルタージュである。またこの本に書かれている内容は、遠い将来、茨木のり子を語るうえで、非常に貴重な資料となるであろう。
(「序文/宮崎治・(茨木のり子甥・医師)」より)
目次
序文 宮崎治
序章 別れ
一部 茨木のり子と庄内
一章 茨木のり子の霊を迎えて
二章 茨木のり子とゆかりの人々
- 茨木のり子の詩との出会い
- 「母は庄内の産」
- 授業「りゅうりぇんれんの物語」
- 「のり子さん」を語る
- 夫の従弟 十八代本間儀左衛門
- 母の家 大瀧三郎右衛門家
- 伯母の家 木村九兵衛家
- 三浦夫妻の義姉、三浦和枝
三章 庄内を舞台に
- 母、宮崎勝のこと
- 青春、そして結婚
- シャイで大胆な人
- 若すぎる死
- 宮崎のり子のこと
- 青春時代
- 見合い、そして結婚
- 花嫁衣装エピソード
- 夫、三浦安信のこと
- 文武両道の鶴岡中学時代
- 戦後を共有した同志
- 紬のような東北訛
四章 庄内をうたう
- 「母の家」母の里は雪国
- 「静かで聖なる時間」
- 「母の家」考
- 「答」
- 祖母と幸せ問答
- 祖母、大瀧光代
- 「わたしの叔父さん」
- 咲かせたかった「大輪の花」とは?
- 「大学を出た奥さん」
- 大学を出た奥さん大活躍
- 鶴岡市立温海中学校校歌
- 二つ目の校歌
- 温海は思い出の宝箱
- 混声合唱組国「はじめての町」
- 組曲は二十一世紀への祈り
- 合唱曲はいかがでしたか
二部 茨木のり子の詩の世界
一章 詩から見えてくる世界
二章 『歳月』 詩の世界の完結
- 「書きためている」
- 「死後に発表してほしい」
- 『歳月』の発行
- 連作として読む
- 最後の晩餐
- 四面楚歌
- その時
- 五月
- 夢
- お経
- 「栃餅」と「橇(そり)」を読む
- 栃餅
- 橇
- 詩の世界の完結
- 誰のために書くのか
終章
あとがき