1965年7月、思潮社から刊行された吉原幸子(1932~2002)の第1詩集(1964年に歴程社から自主出版されたものを思潮社が再版)。第4回室生犀星詩人賞受賞。
この本全体が、私のノート(覚え書)になってしまった。
こんな、作品としての不完全さの意識が、長い間、私に詩集をまとめる勇気をもたせなかった。
しかし、生活に或る段落がついて、立ち止まりじぶんを眺める一時期が私にも訪れた今、云ひのこしたことがたくさんあるやうで、このままでは何か落ち着かない気がした。ふたたび歩き出す前に、”精算”をすませたかった。(「NOTE」より)
目次
けものたち 1958
- くらい森
- 象
- 無題
- 狂
- 不眠
- 野宴
- 蠅とりびんに
- 愛
- 仔犬の墓
- 血
幼年連祷・一 1958
- Ⅰ 花
- Ⅱ 人さらひ
- Ⅲ 罪
- Ⅳ 夢遊病
- Ⅴ 萌芽
- Ⅵ 赤い夜店
- Ⅶ こひびとよ
- Ⅷ 挽歌
幼年連祷・二 1957
- Ⅰ 喪失
- Ⅱ 病院
- Ⅲ 絵本
- Ⅳ 植木市
- Ⅴ もらった記憶
- Ⅵ とんぼ
- Ⅶ 怠け者のうた
- Ⅷ 虐殺
- Ⅸ 熱
- Ⅹ 夢
- Ⅺ 生きものの夏
- Ⅻ 憧れ
- ⅩⅢ 信号機
幼年連祷・三 1959
- Ⅰ 喪失ではなく
- Ⅱ 朝
- Ⅲ 道路
- Ⅳ おとぎ話
- Ⅴ じゃんけん
- Ⅵ かくれんぼ
- Ⅶ 呪ひ
- Ⅷ 吊し柿
- Ⅸ 空襲
- Ⅹ 疎開の秋
- Ⅺ 初恋
幼年連祷・四 1961
- Ⅰ あたらしいいのちに
- Ⅱ Jに
- Ⅲ Jに
- Ⅳ Jに
- Ⅴ Jに
- Ⅵ Jに
- Ⅶ Jに
- Ⅷ Jに
- Ⅸ Jに
- Ⅹ Jに
- Ⅺ Jに
- Ⅻ Jに
- ⅩⅢ Jに
かなしいおとなのうた 1962~
- 忘れた
- 日常
- 子に
- 蜃気楼
- ひとで
- 穴
- 夜明けに
- 卵
- 過去との会話
- おまへが だんだん
- 彼の一日
- 通勤
- 墓標銘