2004年12月、詩学社から刊行された小柳玲子(1935~)による詩人回想録。
私の生涯で親しく、激しく付き合ってしまった、宿命的な詩人五人について、その時々に書き綴った文章をまとめておこうと、やっと決心がついた。これら、五篇のエッセイは誰に頼まれたわけでもなく、私の心に深く沈潜していた詩人の記憶を丁寧にすくいあげ、心のむくままに筆にしたもので、脚色したり、無理にきれいごとにまとめるつもりはまったくない。しごく個人的回想であり、正直すぎるほどありのままの詩人の姿を写しとる作業であった。参考文献はほとんど詩人自身の詩集と所属詩誌だけである。他者の書いた詩人論及び詩論は私の場合、なんの参考にもならないので、心の中から一掃し、詩人と二人だけで向き合っている静謐のうちに書きあげた。
五人のうち、黒部節子は遠距離に住んでいたため、水沼靖夫はその交友があまりに短かったためお互いに内なる暗闇に立ち入る機会がなかった。
(「あとがき」より)
目次
収録エッセイ・ノート
あとがき
書評等
『サンチョ・パンサの行方 私の愛した詩人たちの思い出』(小柳玲子著・詩学社)を読む(社長フクモトの四苦八苦読書録+たまにエッセイ)
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