1982年7月、レアリテの会から刊行されたこたきこなみ(1936~)の第1詩集。表紙装画は小紋章子。
小学生時代、北海道酷寒の辺境での人肉嗜食事件が報道された。後に武田泰淳の「ひかりごけ」のモデルになった事件である。地元新聞の猟奇的筆致に、子ども心にも胸さわぎを覚えた。被害者にしろ加害者にしろ、もし自分だったら…。
以来、私の意識ふかく、人間が物を食べること、へのこだわりが居すわってしまったらしい。
(「あとがき」より)
目次
1
- 俎板
- 物語あるいはクッキングカード
- 予感
- 焼肉
- 物
- 毒
- 山姥和讃
- ハッピーバースデイ
- 竜
- 虫
- 毛並
- 糧(かて)
- 鹹湖
- 残雪
- 寒流
- お菓子の家
- 大航海
- はじめに刃物
- 四月は残影の季節
- 孤独な星の女たちの狂訓
- 寵児たち
- 葬礼Ⅰ
- 葬礼Ⅱ
2
- 炎の音
- 火の家
- 影鎮め
- 墓文字の女
- 鬼胎
- 火の器
あとがき