1983年6月、日本エディタースクール出版部から刊行された谷川雁のエッセイ集。
目次
虚空に季節あり まえがきに代えて
・意識の海のものがたりへ
・宮沢賢治への旅
- 魂の水飲み場をあとめて
- ”兄の声”に応えて遊べ
- 何が賭けられたのか 『注文の多い料理店』序をめぐって
- 山猫を知らない少女へ 『どんぐりと山猫』
- 「神隠し」のカギを隠す 『狼森と笊森、盗森』
- 「水仙月」はどこからはじまったか 『水仙月の四日』
・迷路の手ざわり
- 歌うように豆の木がゆれる 『ジャックと豆の木』
- しっぽの曲った建築家 『三びきのコブタ』
- 王位継承の幻想 『猫の王』
- 地獄を選んだ二人 『ロミオとジュリエット』
- 雨夜の灌頂 『耳なし芳一』
- 漂泊する鏡とその色 『鏡の精』
・青の発見「テーマ活動」ノオト
- 1雨はどこから降ってくるか 『だるまちゃんとかみなりちゃん』
- 2「うそっこ」の「うそっこ」 『ピーター・パン』
- 3夜をこどもに 『かいだんこぞう』
- 4青の発見 『白雪姫』
- 5神の誕生を見た女の子 『山山もっこり』
- 6王女のケルト語 『グリーシュ』
- 7四つんばい 『すてきなワフ家』
- 8『国生み』冒頭の条理 『国生み』
- 9美醜観念の大回転劇 イザナミの死
- 10ビロウとカエデ 『わだつみのいろこのみや』
- 11固有純粋を排す 『ナイチンゲール』
- 12ネコの「してやったり」 『長ぐつをはいたネコ』
- 13正月くるぞ
- 14三日月形の激情 『アリ・ババと四十人の盗賊』
- 15小人と妖精の間
- 16物語と詩の接ぎ木 『かえると金のまり』
- 17時間の城にかくれた小やぎ 『おおかみと七ひきの小やぎ』
- 18糸まきのころがった道 『ホッレおばさん』
- 19外来者による再生 『鮫人のなみだ』
・「人体表現」をとおして
- 非行劇団としての学校へ
- ことばでないことば
- 私たちのテープの条件
- 根の国の力 少年少女との対話
「神話ごっこ」の十五年 あとがきに代えて