2004年4月、思潮社から刊行された田村さと子(1947~2020)の詩集。装画はホセ・イエロ、装幀は山田武。
初めてホセ・イエロ氏の自宅を訪ねたのは約三十年前、わたしがマドリード大学の学生だった頃のことだ。そこはフランコ独裁政権下の息苦しさの中で文化と良心の砦だった。
その後、わたしはガブリエラ・ミストラルの研究のためにチリに向かうようになり、マドリードに再び彼を訪ねたのは二十年ぶりの一九九九年だった。それ以来、しばしば押しかけてはアンヘリネス夫人の手料理をご馳走になり、そのつど次の詩集の装幀用にといくつかの絵をもらった。ずっと詩集を出していないわたしへの励ましであったのだと思う。
『イベリアの秋』に続いてこの詩集が彼の絵で飾られたことをこの上なく幸せに感じているが、彼はもういない。一番見てもらいたかった人の訃報に接して以来、自分ののろまぶりを責めるばかりである。
(「あとがき」より)
目次
- 土壁の青 Azul de los adobes
- 化粧するボルヘス Borges con maquillaje
- トウモロコシの夢Ⅰ・Ⅱ Sueño de maíz
- 白い村の記憶 La memoria del pueblo blanco
- ハシバミの森の中 Dentro del bosque de los avellanos
- 雨 Lluvia
- ダゴタ族の夏祭り Fiesta estival de Dakota
- 草原 Llano
- 授乳 Lactancia
- 動物農場 一九七三年 Animal farm 1973
- <時>の中の迷子たち Ninos perdidos el tiempo
- 大地の船乗り Marinero en tierra
- サラマンドラ Salamandra
- 秋模様 Fugura de otoño
- 迷宮の牡牛Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ Toro en el laberinto
- 海の牡牛Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ Toro en el mar
- 海と音楽 Mar y música
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