1995年9月、花神社から刊行された寺島博之の第3詩集。装幀は熊谷博人。刊行時の著者の住所は小平市。
この詩集は、第二詩集『一瞬の欅』以降、ほぼ十年間の作品を集めたものです。ただ、前詩集からの拾遺作品「日曜日」と十年前の作品「時間症候群」を今回改作し、「記憶と時間」と題して加えました。
便宜上三部に分けましたが、Ⅰは最近二年間の作品、Ⅱは一九八八年から九一年までの作品、Ⅲはそれ以前の作品となっております。三年ほど前に詩集上梓を考え、作品がそろわず断念したことがありました。その後、Ⅰにあたる作品ができ、今回の上梓につながったとおもいます。
来年三月には、現在の職場を定年退職することになっております。三十五年間、同じ職場に通いつづけることがどのようなことだったか。曲がりなりにもこれまで詩を書きつづけてこられたのは、詩サークルや読書会等に参加する仲間のみなさまの励ましがあったからにちがいありません。サークルのみなさまにお礼を申しあげます。
この詩集を出すきっかけをつくっていただいた上、なにかとごめんどうをおかけした阿部岩夫さん、詩集原稿を何回かワープロで浄書していただいた田中伸治さんに併せてお礼を申しあげます。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ
Ⅱ
- 落合までの四時間
- ピアノと鍋底
- 空洞のある木
- 木になった女たち
- 風の行方に気をつけろ
- 一九八六年一月・南極
Ⅲ
- 日曜日
- 猫ひっかき病
- お菓子のある街
- アレルギーの授業
- 豪華なメニュー
- パンの味
あとがき