1975年10月、大和出版販売から刊行された森秀人(1933~2013)による北村サヨの評伝。カバー装幀は代田奨。北村サヨは天照皇大神宮教の教祖。
目次
序章 焼跡に立つ神
- "敗戦"と価値観の転倒
- 「踊る宗教」との出会い
- 都会知識人の拒絶反応
- 熱狂的"東上"〟
- 中央入りの目的とは
第1章 狂人か、神の子か
- 北村サヨの生い立ち
- 結婚による転機
- 現実生活者の自信
- 指導者としての下地
- 神道との接触
- ふりかかった災難
- 神のお告げをきく
- "霊界"に向かう
- 肚のなかに神がいる
- 水行から"心の行"へ
- 狂人か、神の子か
- 的中する予言
- "教祖・北村サヨ"の誕生
- "辻説法"の開始
- ひろまる恐れと敬意
- 巷に出でよ
- 神と共にある日々
- 名妙法連結経
- 俗界から離れて
- 帰依する人々
- 神ながらの道へ
- 「最後の紀元節」の予言
- "神化"までの急速な過程
- 神の赤子に
- 「踊る宗教」の完成
第2章 天照皇大神宮教とは
- 天照皇大神"一人娘"としての予知能力
- 官憲の弾圧
- 神州は"神衆"なり
- 発揮される超能力
- その世界観
- なぜ「踊る」のか――?
- "魂磨き"の教え
- 大神様・若神様
- サヨにとって"神"とは
- 街頭進出と"肚ねり"
- 東京布教の決意
- ただの"新興宗教" にすぎぬのか
- サヨ、その風貌
- 糾弾される"蛆虫の世"
- 「自我を捨てよ!」
- 神行論と、日本の現実
- 天皇制否定の根拠
第3章 波及する"歌説法"
- 生長の家・谷口雅春との対決
- 北村サヨの"手相"
- 連行さる
- 憂国の烈女
- 息子への手紙
- "大神様"に下された判決
- マスコミを宣伝機関に
- 他の新興宗教との相異点とは
- 階級と無縁の集団
- 天照皇大神宮教「教団規則」
- 全国にとどろく名
第4章 賞讃と非難のなかで
第5章 海外の衝撃
- 偶像崇拝の否定
- ハワイでの宗教論争
- なぜ多くのインテリを捉えたのか
- いずれが邪教か――
- その生活観・家庭観
- アメリカ布教の旅へ
- ハーバード大での"無我の舞"
- 説法をつづける真意
- 物質文明をどう見るか
- 徳川夢声との対談
- 著名人に与えた衝撃
- 一万年に一度の"神がかり"か……?
終章 巨星墜つ
あとがき