1994年2月、沖積舎から刊行された千葉龍の第9詩集。跋文は秋谷豊(1922~2008)。
九冊目の詩集を編むことができた。一九八八年一月発行の『無告の詩』(芸風書院)から六年目。過去の詩集刊行にてらすと最も間隔が長い。とくに意識したほどのことではない。時間とカネに余裕がなかった。そしてちょっぴり、詩集を出すことの怖さと愧ずかしさが重くなったためのようだ。
かなりの量の作品を捨てた。わたしとしては珍しいことだった、と、いま思う。
(「あとがき」より)
目次
Iの章
- 春への予感
- 四十歳再び
- 澱みのなかで
- 就学前夜
- 酒道怠るべからず
- 鏡を見る
- バラたちと
- 大厄二度
- 連夜臨死
- 百悪されど
- 斬好
- 天からの手紙
- クチアイ
- 『無礙』にはほど遠く
- 自己告知
- 雪でおめでとう
- 夜のつぎは、朝
- 回る地球に
- 花群れにいて
- 海と息子とおれと
Ⅱの章
- 信仰のはなし
- おとこのバラード
- 打揶
- 告白
- 雑草独語
- 夕闇のさくら谷
- 裸の少年とカミさま
- 魚と納豆
- 共生の記憶
- 龍・地獄びと
- これ以上ゆるせるか
Ⅲの章
- 三方五湖の早春
- 荒磯の海の物語
- 青の時代・幻想
- 海辺の宿で
- 森と湖と川と
- ふるさとの祭り
- 恐怖の砲口
- 富士とぼく
Ⅳの章
- 龍さんから哲さんへ
- 水曜日の花たち
- 『ばばの手紙』
- 若き友へ
- 素直な小匣に
- 恋色
- 一枚の紙
- 神々の祝福の中で
現代のロマン派(秋谷豊)
あとがき