本書は著者が數年このかた世間に起った大小さまざまの事件について、その折々に發表した批判や感想や解説をまとめたものである。その中には現に生きて居り、日々に變化し、發展しつゝある當面の問題も多く、また問題が極めて多岐多端にわたってゐるので、その一つ一つについては意を盡さぬことが多い。しかしとにかく其等全體は、最近の無相のスケッチとしても見られようし、また今吾々が生活してゐるのはどんな世界か、この世界の動きはどういふ方向に向ひ、吾々はどういふ態度でそれに關したらいゝかといふようなことについての基本的な理解を得る助けともなるならば幸ひである(「はしがき」より)
目次
序論戰後の世界不安
- 一 世界資本主義の頽勢
- 二 社會主義經濟の發展
- 三 日本資本主義の不安
職業問題
- 職業婦人の現状
- 職業婦人と母性の問題
- 勞働婦人の問題
- ロシア勞働組合と婦人
- 働く婦人へ
- 茶の湯からスポーツへ
敎育問題
- 就職難、信仰、戰爭
- インテリの限產
兩性問題
- コロンタイの戀愛觀
- コロンタイの誤謬
- ブルジヨア趣味の『戀愛遊戯』
- 公娼廢止問題
- 僞瞞的公娼廢止案
- エロテイシズムの流行
- 貞操蹂躪罪
- 暴力は婦人を瀆さず
- 性的犯罪とその責任
妻の問題
- 改正親族法(一)
- 改正親族法(二)
- 暴虐の父、奴隷の母
- 避姙と墮胎
- 墮胎禁止の問題
- 貰ひ子殺し
- 兒童虐待の世紀
- 母子心中
- 賢母良妻主義の破產
時評
- アメリカの總動員
- アメリカの繁榮とフーヴア
- 日支交渉の行方
- 床次さんの支那土產
- 日本大衆黨の成立
- 女工十三名燒死事件
- 深夜業禁止
- 無產婦人團體の合同成る
- 東京市會とガス問題
- 三越とその奴隷
- 不經濟な失業對策
- 英國勞働黨の勝利?
- 賠償會議の成功?
- 緊縮ごつこ
- 敎化總動員
- 思想善導屋の裏
- 密偵敎育と學校騷動
- 『政界廓淸』は成るか
- 軍縮會議
- 無產政黨とその婦人團體
- 婦人公民權について
- 强い陸軍
- 資本家の階級意識
- 政治圈外に立つ婦人
- 軍縮の行方
- 普選第二回の總選擧
- 無產黨慘敗の敎訓
- 婦人團體の動き
- 亂鬪劇と淨化劇
- 値切り倒された婦人公民權
- 公民權は實現されても
- 緊縮政策の影響
- 緊縮の罠にかゝつたお役人階級
- ガス問題の裁定
- 婦人參政權の十年間
- 戰債モラトリアム
- 農民は救はれるか
- 恐慌と『反省』
- 娘は賣られる
- 滿洲の銃聲
- 世界平和の行方
- フアツシヨの波
- 反動下の無產黨
- 鋼鐵チヨツキ時代
- 血盟團の社會的意義
- フアッシヨ運動の社會的根據
- ヒンデンブルグ勝つ
- フアツシヨ獨裁の脅威
- 賠償と職債
- 農村救濟と學者の夢
- 『失業救濟』に食はれる
- 日滿經濟ブロック
- 豐作飢饉
- 英帝國の經濟鎖國主義
NDLで検索
Amazonで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索