1986年12月、花神社から刊行された金田弘(1921~2013)の詩集。扉字は羊歯三郎、装幀は坪田政彦。
どういうわけか、また詩集を出すことになってしまった。この年になっても好ましいと思われる詩が極めて少ないのは残念だ。
私の詩はともかくとして、坪田政彦さんの表紙の作品「物・質・境I」、西脇順三郎さんの扉絵「ペリアスとメリサンド」、羊歯三郎さんの扉の書「邪鬼」、高島順吾さんの滋味あふれる名文「播磨の里の友へ」などで楽しんでいただきたい。
詩では「しろたえの」が西脇さんへの、「雨中の虎」が皆光茂さんへの、それぞれ哀悼のものである。
(「あとがき」より)
目次
- 元旦
- 紅きくちびる
- 白虎
- やぶそば
- 邪鬼
- フキノトウ
- しろたえの
- ああ 玉杯に
- 道行
- 小倉道
- 花の如き人
- 五月へ
- 十三や
- はりま紀行
- 沙羅
- 合歓
- 夏の
- 女郎花
- えのころぐさ
- 雨中の虎
播磨の里の友へ 高島順吾
あとがき