2009年2月、思潮社から刊行された佐伯多美子(1941~)の詩集。付録栞は野村喜和夫「真の名を求めて――佐伯多美子への手紙」。
ここに書かれたことは、主に、背骨で感覚し、臓器で思考され、それら、背骨や臓器すべてに、でき得る限り近づきたいと希求した。ある精神病者の贖罪の独白でもあるかもしれない。判っていることは、現在も背骨に冷水が流れつづけていることだ。
「睡眠」とは、美学校中西夏之素描教場で提示された課題であった。どこまで近づけたかは解らないがここまで来るのに三十数年かかったという事実がある。気づくと経っていた。半分は眠っていた気がする。それが、長いのか短いのか知らない。ただ、これからもずっとこの作業はつづくものとぼんやり思っている。
これらが、常に詩でありますように。
(「あとがき」より)
目次
- 序章
- 第一章
- 第二章
- 第三章
- (彷徨するかぎりなく 罪
- 虚という球体は、
- しらじらしい無垢で/切る
- 白い、ことば
あとがき
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