2019年2月、渓水社から刊行された下岡友加(1972~)による黄霊芝論集。表紙写真は黄明川、王秀郷。
目次
・序 黄霊芝とは誰か?
- 一 黄の履歴
- 黄霊芝の主な文芸活動表
- 二 黄の言語観
- 『黄霊芝作品集』内容一覧表
・第一部 小説と俳句の諸相
第一章 小説「董さん」
- 一 不条理の連鎖――二・二八事件と西来庵事件
- 二 民族・国籍・血縁の越境――語りの方法
- (1)時間構成
- (2)名称、言語
- (3) 人物設定、配置 &
第二章 小説「蟹」
- 一 他者を食べる、他者に食べられる――世界の循環
- 二 なぜ蟹か?――新しい蟹物語の創出
- 三 乞食の「おい」に託された役割
第三章 小説「紫陽花」
- 一 聴覚(声)を信奉する主人公
- 二 おそるべき妄想の力
- 三 淋しさの所以
第四章 小説「豚」
- 一 天邪鬼「私」の挫折
- 二 喜劇の装置――妻と娘という他者
- 三 知識人/芸術家批判
第五章 小説「仙桃の花」
- 一 愛の不条理という主題
- 二 錯誤の所以
- (1)誘導する語り手と詩――愛はそこにあったのか?
- (2)反復構造――永遠性と夢の世界の形成
- 三 聖なる人物の愛は実るか?
第六章 俳句「自選百句」
- 一 「自選百句」の出自
- 二 リズム――破調の所以
- 三 季語――台湾+日本という複眼
- 「自選百句」季語表
- 四 音調重視、会話体の活用――自由自在へ
- 「自選百句」初出・既出一覧表
・第二部 作家との対話
第一章 二〇一一年八月二八日の記録
- 一 台北俳句会のこと
- 二 ジャンルと言語の越境について
- 三 作品を書く理由
第二章 二〇一二年五月二〇日の記録
- 一 小学校時代の記憶
- 二 交通事故のこと
- 三 戦後の生活
- 四 俳句と彫刻の相似
第三章 二〇一二年七月一五日、同年九月一六日の記録
・結 黄霊芝研究のこれまでと今後
- 台湾に於ける主な日本語文芸グループ一覧表
あとがき
付 黄霊芝略年譜