1983年1月、点点洞から刊行された船木仁(1930~1986)の第2詩集。構成・装幀は高橋昭八郎。刊行時の著者の住所は秋田県仙北郡神岡町。
ここに収めた作品は、一九七六年から一九八一年にかけて「視界」誌上に発表したものである。
最初の詩集に続いての一行の詩集であるが、一行という形式の実験的意味において、詩として成立したのは、わずかであるかも知れない。しかしそのわずかな作品が、新しい地平を開くものと信じたい。
一行の詩は、思弁的であるよりも、どちらかというと感覚的な傾向が強いように思う。その方が、ひっそりと止まっているものの発することばに、互に深く触れ合うことが出来る。さらに、ここではことばが、微妙にそして決定的に詩を動かしているのを知る。
また、詩の表現を広げるため、俳句や自由律俳句で禁句となっている直喩を意識的に使ってみた。直喩の適切な使い方は、詩の表情を弱めることなく、暗喩と同様に、より直接的な強い表現を得たように思う。
最後に、急逝された芦立隆夫氏にこの詩集を読んでいただけないのが本当に残念であった。(「あとがき」より)
目次
- 未来の朝
- ここからは向こう側
- 春の林
あとがき
関連リンク
gui 112,左庭38(daily-sumus2)
船木仁『風景を撫でている男の後姿がみえる』(ときの忘れもの)
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