1980年4月、フェニックス出版から刊行された中野鈴子の詩集。
目次
- 忘れがたい人
- 秋の海(短歌)
- 春を病む(短歌)
- 母の手紙
- 母の叫び
- 鍬
- 途中で
- 味噌汁
- 歓喜
- わたしの正月
- 月は中天に
- 飢餓の中から
- 春
- 一家
- わたしは深く兄を愛した
- 断章
- 方向――一九三三年おわり頃
- 冬
- 少年のからだはどこも実っていない
- 心は愛に満ちている
- ふしあわせ者のうたを
- ある日
- 方向
- 一片の花弁
- 完きを求めて
- 自分の詩
- あわれな時に
- 闇と光と
- スペインの女
- 山の奥の部落と彼女
- かって少女の日に
- 別れ
- こもり居
- 君すでに
- われ座りて
- 村葬
- 春爛漫として
- 人々は持つだろう
- 時待たずして
- 弟たち
- 著者におくる
- あつき手を挙ぐ
- お前は此の頃よくねむる
- まっ直ぐにそのままに
- なんと美しい夕焼けだろう
- みんなねむっている
- 家
- 東京は晴れている
- 年とった娘のうた
- わたしの育てた稲
- 田の草取り
- 花もわたしを知らない
- 三界に家なし
- 不作
- 陽は照るわたしの上に
- 壁と重石と
- 地震
- 何故わたしたちに
- 話してくださらなかったのです
- 愛
- 東京へ行った母
- 母
- 突然に
- 許南麒の詩のように
- 東京にきて
- 三拍子
- 妹
- けれどもわたしは
- ある時
- 小林多喜二のお母さん
- わたしは出かけてゆく
- わたしはねむる時
- 袂別
- 心臓
- わたしは
- 十二月
- 「野菊の如き君なりき」を見て
- 夜
- 五十の春に1
- 五十の春に2
- 人が人に
- 花束
- 今日はよく晴れ上がって
- 霜のように
- おとろえ1
- おとろえ2
- 四月の夜
- 友よ友だちよ
- 竹の皮の飴包み
増補
- おさなき歌(短歌)
- 秋の沼(短歌)
- そのままに
- 麦田
- わたしはおどろいて
詩に添えて 中野鈴子
詩集のうしろに 中野重治
解題 大牧富士夫
解説 中林隆信
年譜 大牧富士夫
あとがき 庄山章信