1960年3月、書肆青泉社から刊行された小野菊枝の第3詩集。装幀は柳生秀男。
私は繁多なビジネスの山で、一日の大半を送つていて、自分自身を省みるいとまがない。そんな生活の中では、いつそうきしみあう人間感情が発散する。一日一日では整理しきれないかずかずの感情と相棲まいして、現在を確かめ周知することが、未来をもみきわめることになればと思っている。
この詩集は人間のいとなみの上での摂理を願うゆ えに、人間の一途な感情のこぼれから真意をひろい集めた。
(「あとがき」より)
目次
・思惟する日
- 秋の余白
- ぱらそる
- 智慧と棲む日
- まよなかには
- 黄色い月
- 街へいそぐ
・人と私は別もので、
- つづめると
- いのちの中に (1)
- 〃(2)
- 〃(3)
- 秋から冬になる
- うつむく女
- 生きよと言う
- 人と私は別もので
- 平気であるくということは
- 鳩(1)
- 〃(2)
- 〃(3)
- 雲
・たちどまったときに
- 野原にいる私Ⅰ
- 〃Ⅱ
- 〃Ⅲ
- 〃Ⅳ
- 風の前では
- たちどまつたときに
- 湖へ行こう
・ある日私は
- ある日私は
- 菊
- 花(1)
- 花(2)
- 藤の花
・眼のまわりで
- ある起伏
- 眼のまわりで
- 秩序なく
- 季節の谷間
- 山あい
- くずれる時
- 三月と棲む
- 音 (1)
- 〃 (2)
- 冬の夜
あとがき