1979年8月、いわみざわ文学叢書刊行会から刊行された加藤愛夫(1902~1979)による辻村もと子(1906~1946)の評伝。いわみざわ文学叢書第2集。装幀は宮川美樹。
目次
第一章 原始林
- 辻村直四郎が買入した土地
- 志文という地名
- 随筆「ポプラのある窓」
- 随筆「泉」
- 樹木・野鳥・辻村家と原始林
第二章 辻村直四郎と梅路
第三章 辻村もと子と志文小学校
- 寺小屋式教育所
- 志文尋常高等小学校
- 小説「地主の子」
- 山口覚蔵氏の話
第四章 辻村もと子と遺愛女学校
- 小田原高女から遺愛女学校へ転校
- 遺愛女学校の沿革
- 伊藤コウさんの話
- 小玉ヒデヨさんの話
- 随筆「雪に埋めた白鳥」
- 詩と版画の雑誌「さとぽろ」と「全北海道詩集」
- 短歌「狂人の歌へる」
- 小説「春から夏へ」
- 小説「海峡」
- 小玉ヒデヨさんの憶い出
- 「遺愛女学校時代のもと子さん」町野悦子
- もと子の学業成績
第五章 春の落葉
- 日本女子大学時代と「目白文学」
- 処女小説集「春の落葉」
- 「著者におくる手紙」中村星湖
- 「私の言葉」茅野蕭々
- 作品と制作年月日
- 「春の落葉跋文」外山卯三郎
- 辻村もと子短編集「春の落葉」をめぐる思い出を中心として・外山卯三郎
- 小説「正平とお信」「冬」「吹雪」
第六章火の鳥と辻村もと子
第七章 文学への独立
- もと子の離婚
- 長編小説への構想
- 「馬追原野」の出版
- エッセイ「ほん音」
- 大森から浦和へ転居
- 小説「水にも人にも」
- 「辻村さんと私」
- 朝谷耿三
- 小説「水にも人にも」改題「命をかけて」
- 「命をかけて」にみられるもと子の二面性・清水和子
第八章 日本文学者と辻村もと子
- 日本青年文学者会
- 「馬追原野」第一回一葉賞受賞決定
- 一葉賞選定経過
- 一葉賞を戴いて
- 文学賞授与式
- 一葉賞受賞のよろこびと感想
- 小説「寒椿」
- 小説「月影」発表と芥川賞候補
- 村岡花子の「春の落葉」解説
- 高見順の言葉
- 岡崎元哉「挙手」についての談話
- 小説「花咲く窓」
- 「挙手」覚え書
第九章 馬追原野考
- 土地と農民
- 北海道開拓の入植状況
- 馬追原野の秋月運平の渡道と土地探し
- 満州事変と開拓者
- 「大日向村」
- 島木健作の「満州紀行」
- 小説「開墾者」
- 「石狩原野」
- 「馬追原野」
- 土地と農村
- 小説の中の百姓像
- 「カインの末裔」
- 「処女地」
- 「馬追原野」
第十章 故郷の森に帰る
- 随筆「雪解水」
- 順子夫人姉を語る
- 故郷の原始林
- 北海道文化の動き
- もと子の手紙
- 加藤愛夫辻村家を訪問
- 随想
- 「花と微笑」「花」「おみなら」「教養について」「恋愛について」
- 小説集「風の街」
- もと子市立病院に入院・「風の街」を抱いて逝く
- 詩「ふる里」
- 梅路追悼歌
- 吉田十四雄の感想文
- 小説「風の街」「ひみつ」「煙」「月影」
- 吉野至徳氏の書簡
年譜
跋文 国兼孝治
あとがき 加藤愛夫