1970年6月、彌生書房から刊行された草野心平(1903~1988)の詩集。
詩集「こわれたオルガン」(一九六八年刊)以後に出来た詩篇をここに集めてみた。年代的に言えば六十五歳が十七篇、六十六歳が十八篇、その他の数篇は「こわれたオルガン」に収録さるべき年代に書かれたもの、「木曽」は十二年前の作品である。
題名の「太陽は東からあがる」は詩にとってはもはや死語である。この、言わば平凡な死語を敢て題名にしたのは、自分にとっては故なきことではない。
(「覚え書」より)
目次
- 活火山群
- Halemaumau
- 地球は生きている
- 夏眠
- 凡平自伝
- サリム自伝
- Volga
- サマルカンドの芥子
- 一本の道
- コウノトリ自身
- 五月のカテドラル
- アンボワーズの綱渡り
- 武蔵野赤十字病院第三病棟五階第八号室
- 桃の日に桃の花
- 歴程の仲間
- ホノルルの風
- ホノルルの満月
- 鮭の道
- 山女魚
- 白と緑の
- 飛火野の満月
- 靜謚
- 神秘は殖えた
- ニッポンの秋
- 日本の酒
- 霙
- 一月の鳥たち
- 八月
- 冬の朝の散歩
- 聖六華
- 富士
- 活火富士
- 彼
- 夜明け
- 六十六のクリスマス
- 冬ゆるむ
- 一月の祭典
- 交響的幻想組詩 木曾
覚え書