1998年12月、書肆山田から刊行された鈴木啓介(1933~)の第3詩集。装幀は菊地信義。
ここに収録した作品は、二十代後半に同人誌に発表した「なまずの時代」の外は、一九九六年八月から九七年の十二月までの未発表の作品です。「なまずの時代」の作品は、『生いきざかり』に収録される予定でしたが、頁数の関係で割愛せざるをえなかった作品で、私の二十代の作品から谷川俊太郎さんに選んでいただいたものです。
作品を読む人にとって、何歳の時に書かれた作品かなどということには関心がないことはわかるが、作品を創ったほうからすると、二十代に書いた作品が、六十代の作品に挟まれて、違和感なくうまく収まるかどうか心配であった。だが、編集者の大泉さんは、あっさりと気にならないといってくれたので、不安気のなかでほっとした気持になっている。
(「あとがき」より)
目次
・とどのつまりは
- あなのなか
- しどろもどろ
- そのきにならなくとも
- とどのつまり
- 序(ついで)の旅
- すきになった街
- 見(あら)われるもの
- 書棚の前
- ときのとき
- 背負って歩くのは
- たんすのなか
- 夏がくる
- それぞれに
- 庭
・なまずの時代
・帰り道
- 落葉
- 容器
- 臨死体験から
- 土でつくる 土にかえる
- うつろ
- ふとしたときに
- 懐郷
- 落日
- 帰り道
- ニュース
・火をかこむ
あとがき