1957年8月、白玉書房から刊行された田谷鋭(1917~2013)の歌集。コスモス叢書第18篇。第9回読売文学賞候補作品。
目次
・面伏すごとく 昭和二十八年―昭和二十九年
面伏すごとく
けだもの
箱根小湧谷
夜の構圖
豆腐
驛の花圃に
油なす翅
少女
冬終る頃
竹の影
こゑ
廣島
長崎
靜かになれば
旋風
太幹
橋下の水
比叡山
石壁
木槌と硝子
多摩墓地
夜の時計
魚の型の葉
我をめぐる幸
・虹 昭和三十年―昭和三十一年
煌く埃
鉈
日本の音
夏日覊旅
室內・他
圓覺寺
黑
淸き光
虹
自然敎育園
孤り鳴る旗
風音
冬の昏き壁
來む春
鐵板の壁
夜の矢車
窓
藍
橙黃
宇奈月にて
少年達
朽ちざるもの
白河行
藁灰
・戰後斷章 昭和二十三年―昭和二十七年
薔薇
卵
夜の時
麥の畑
雨降る
貧しき怖れ
友ら
搖るる穗
猫
忍
無數の圓き影
上總牛久
心憊れて
坂
重き車輪
上總片貝
とどまる芥
黑き爪
三崎
入院前後
あとがき