生誕の波動――歳序詩稿 鈴木志郎康詩集

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 1981年十月、書肆山田から刊行された鈴木志郎康(1935~)の詩集。

 

 雑誌「ホームドクター」の一九八〇年一月号から十二月号まで、扉の頁に十四行の詩を掲載した。その十二篇の詩を核にして、韻文と散文を書き足して、この一冊の本とした。このような試みは、私としては初めてなので、どんな効果が生まれているのか、自分ではよくわからない。書いて発表した詩を集めるだけでなく、そこに書き足さなくてはならないという事態が生じたのだ。扉の詩は掲載誌が一般的な雑誌であったために、そこを意識して、わがままに書くわけには行かなかった。しかし、それはそれだけで詩集にするにしてはもの足りなく感じて書き足すことになった。そして、実際に書き足す作業を始めてみると、思ってもみなかったところに言莱が開けてくるのが、非常に刺戟的であり、スリリングだった。この体験はこれからもぜひ生かしたいと思う。書き足しは一九八一年六月から八月まで掛った。尚、余計なことだが、連載の十二ヶ月は私たちの次男、野々歩の受胎から誕生までの月日だった。(「あとがき」より)

 

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