1977年5月、栄光出版社から刊行された埴原一亟の短篇集。
まえに出した「埴原一創作集」はほとんどが戦前の作品ばかりを集めましたので、この”一畳ぼろ家の主”には戦後に発表した三十数篇の作品のなかから十一篇をえらんで収録しました。作品のよしあしと言うよりも私にとって捨てがたい愛着のある短篇だけをえらびました。
作家のなかには読者を意識してかく人と、まったく読者を意識せず自分が生きる証しをさぐるためにかく人とがおりますが、私はどちらかというと後者にぞくする者です。わがままと言えばわがままですが今年で古稀の齢になりますので、もはや、そんなわがままを押し通して書きつづけるより他に道はありません。
(「あとがき」より)
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あとがき
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