1987年9月、思潮社から刊行された井坂洋子(1949~)のエッセイ集。装幀は芦沢泰偉。
目次
Ⅰ 詩の愉楽
- 感覚篇の思想
- 倒錯愛の発生
- 詩の愉悦度
- 暖かなくぼみ――石原吉郎と“フェルナンデス”
- 魂の影――黒田三郎の二つの詩集
- 物語のアーチ
- 生きものの姿
- 並行恋愛少女に欠けているもの
- 女性という自然
- 毒を盛る器
- 表現者の眼差し
Ⅱ 即効魔女
- 即効魔女
- さっさと逃げる男、途中で引き返す男
- 男ミュージアム リンゴ・スター、おすぎ、レイ・ミランド、イッセー尾形、テネシー・ウィリアムズ
- 一階の人
- 結婚前夜
- 祖父山手樹一郎のこと
- おじいさんの時計
- 奇妙な場所
- Iの汚点
- どす黒さに脅える白
- いけぶくろ感覚
- ピーピングベティ
- 妻の素足
- めんどくさがり屋の夏の日に
- 井坂洋子のレンアイ調書
Ⅲ 優雅さの支点
- 痛い曲
- レノンの芸当を真似てはいけない
- 桑田某のおしろい
- 音楽は、恋をしていない女の、恋のときめき
- 優雅さの支点
- 弱き者、オトコよ、うじうじ越えても、マッチョ・マゾマゾ
- 手を打たない人の手
Ⅳ PAIR LIBRARY
- 恋人と読む本――『情事の終り』『肉体の悪魔』 『未知の女への手紙』
- 女友だちと読む本――『世界映画俳優全史 女優篇』『星影のステラ』
- 高校生と読む本――『親子の世紀末人生相談』
- もう一人の私と読む本――『谷川俊太郎詩集』『暗い道』『小鳥の園芸師』
- 底辺の女の心の足跡――松永伍一『日本の子守唄』
- 男性的な機構――宗左近『風文』
- 感情のゆりかご―― ロジェ・グルリエ『水の鏡』
- ヒーローのいない社会――荒川洋治『ヒロイン』
- 裸の読書――大江健三郎『新しい人よ眼ざめよ』
- "ふられる"形――『中島みゆき全歌集』
- 移動性あきつ
あとがきにかえて――セルフ・ポートレイト