1975年5月、ろばのみみ編集部から復刻された長田穂波(1891~1945)の詩集。装幀は西坂修。表紙版画は渡辺禎雄「天国の鍵」。元版は1928年光友社発行。
復刻のことば 文学博士 関根文之助
このたび、長田穂波著の詩集『霊魂は羽ばたく』が、復刻本として、限定出版されることになった。
これは、全国の療養所教会における会堂建設と、その伝道活動とに対し、長いあいだ援助をつづけ、ライを病む人びとのために奉仕し、精神的、物質的に援助してきている好善社(藤原偉作理事長)が多くの療友からの要望にこたえ、「ろばのみみ」(鈴木晴久編集長)の協力によって、ここに実現するに至ったのである。
この詩集は、わたし自身にとっても、若き日のころ、きわめて大きな感銘を受けた書物であり、かつそのころのキリスト教界はもちろんのこと、一般の読書界にも、すばらしい反響をもたらしたところの、歴史的意味を持つ書物と言ってよい。
そして、いま、ここに、ふたたび、かつてのままの形で、もう一度、この詩人の信仰と叙情とに触れたいと願う人々にとって、それは、文字どおり、「信仰のかて」となり、「心」をふるわせる琴線となそのせつなき求めにこたえてくれるであろう。
終わりに、当時の発行所日曜世界社を合併している新教出版社(秋山実兄社長)により、この復刻についての了承を得たことを、感謝しておきたい。
目次
- セゝラギ
- お祈り
- 新しき血滴
- 活ける味
- 兄弟よ
- 生命
- 新春の黎明
- エス甦り給へり
- 愛一つででよい
- 何處へ行く
- 噫、逆境よ
- 琴は鳴る
- 讚への祈り
- 若芽は萠ゆる
- 汝の內にあり
- 我れ十字架を語らむか
- 憐み給へ
- 聖書
- 紅血は躍る
- サタンに勝つ者
- 我とは
- 愛の落花
- 昇天者を送る
- ラザロ死ねり
- お祈り
- 神旨に叶ふや否やのみ思へ
- 人間苦
- ニエクラーソフの詩言を眞似て
- 暗黑は追ばれたり
- なくてならぬ物は何?
- 年頭の祈禱
- 一生懸命
- この火燃えたらむには
- オー神よ
- 救主が生れた
- 生かされよ、生かせよ
- 仰いで廻れ!
- 道連れ
- 善き牧者
- 机上のダリヤ
- 聖業讚榮
- 腦を病めば
- 彼れの肉體
- 不平言ふ權限があるか
- 俺は蛸だつたのだなァ
- 子と子供
- 囘顧
- 血のない社會
- 異性なる故に
- 童謠三つ
- 淚の頌
- 神聖な戀
- お庭の雀
- 眞白き花
- ユートピヤ
- 月は美し
- 新星
- 風よ吹けふけ
- 草とろ
- 今宵の感謝
- 眞の使命感
- 愛姉は逝く
- 骸が語る
- 主よこの心を
- 惠の雨よ
- 第二の國よ來れ
- 釋尊か? 基督か?