2021-08-30から1日間の記事一覧
1964年7月、思潮社から刊行された堀川正美(1931~)の詩集。装本デザインは大野健一。 三部にわかれているのは、それぞれ単行の詩集として仮定されていたからである。発表後相当に改変した作品もある。とにかく、これで「一巻の終り」だ。理由は他にない。 …
1979年9月、未来工房から刊行された結城昌治(1927~1996)の句集。 私が肺結核のため清瀬村の国立東京療養所に入つたのは昭和二十四年二月七日、二十二歳の誕生日を迎へた翌々日だつた。まだ敗戦後の食糧難時代で、医学もこんにちのやうに進歩してゐなかつ…
1976年12月、国文社から刊行された高橋秀一郎(1937~1991)の詩集。 ひとり私の抒情が、総体を撃つ詩へと昂まるという幻想を詩人はつねにその志として心ひそかに抱いているであろう。そして同時に詩人は、不安を、彼と彼の詩のはざまに横たわる不可逆な谷の…