2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

蘆刈 加藤一雄

1976年2月、人文書院から刊行された加藤一雄(1905~1980)の長編小説。装画は大野俶嵩(1922~2002)。 この小説は美術雑誌「三彩」に、一九七二年四月号から七五年二月号まで、毎月わずかずつ二十八回にわたって連載したものである。情況は三十余年の昔、…

全国の天気 中川千春詩集

1989年5月、七月堂から刊行された中川千春(1961~)の詩集。 〈飛行船の消滅する綺譚がある〉。この書物はこのように始まってゆく。全篇これ綺譚といってぃぃかもしれない。なげやりな綺譚、荒唐無稽な綺譚、アナクロニックな綺譚。しかし、このなげやりも…

無名の南画家 加藤一雄

1970年9月、三彩社から復刊された加藤一雄(1905~1980)の長編小説。雑誌「南画鑑賞」に1941年6月から翌年2月まで、5回にわたって掲載され、1947(昭和22)年2月に日本美術出版社から刊行された。 三彩社の内藤賛氏から自由な気持で書いた「あとがき」を附け…

すみだがわ 廿楽順治詩集

2005年11月、思潮社から刊行された廿楽順治(1960~)の第1詩集。栞解説は山本哲也と和合亮一。第43回現代詩手帖賞。第11回中原中也賞候補。 目次 Ⅰ すみだがわ 歩行論 早来迎 草千里 ひょうどうさんの講義 くしゃみ えんそく 燃える教室 音をぬすむ ひばり…

海の鬼 伊藤永之介

1943年10月、佃書房から刊行された伊藤永之介(1903~1959)の少年小説。装画は福田豊四郎(1904~1970)。 目次 海の鬼 稻と鐵 文代 恙虫病 肥料工場 運吉の休養日 墓參り 山の一頁 NDLで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

黎明の書 竹内てるよ

1946年、萬里閣から刊行された竹内てるよ(1904~2001)の短編小説集。装幀は宮本三郎(1905~1974)。 目次 黎明の書 白百合 光を待つ人々 春の粉雪 NDLで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

入り江の舟 鳥巣敏行詩集

1992年1月、七月堂から刊行された鳥巣敏行の第2詩集。 ▽坂を上り下りするたびに、出してもいない私の詩集が色になった気配がある。▽一冊だけ詩集をつくって、持ち歩いていれば、その日の転記や風の具合で中身がかってに変ってくれるといった思いが抜けない。…

姫鏡臺 上林暁

1953年10月、池田書店から刊行された上林暁(1902~1980)の第16著作集。装幀は鈴木信太郎(1895~1989)。 目次 ロマネスク 柳の葉よりも小さな街 姫鏡臺 魔の夜 楽しき晝食 鄙の長い路 緋文字 零落者の群 月魄 あとがき NDLで検索日本の古本屋で検索ヤフオ…

別れた友 飯島耕一

1978年10月、中央公論社から刊行された飯島耕一(1930~2013)の短編小説集。装幀は宇佐美圭司(1940~2012)。 目次 硫酸の日々 夏の小部屋 出発 因島 N医師とのこと 別れた友 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

黒の季節 南六郎詩集

1973年11月、朔社から刊行された南六郎(1909~?)の第3詩集。編集造本は蘭繁之(1920~2008)。 わたしを取り巻く、すべての存在は黒の季節でありました。わたしはこの季節を旅してきました。わたしの旅はわたし自身を探しにゆくことであり、またわたし自…

斜陽日記 太田静子

1948年10月、石狩書房から刊行された太田静子(1913~1982)の日記(太宰治「斜陽」原作)。装幀は花森安治(1911~1978)。 NDLで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

詩の言葉・詩の時代 三木卓

1971年5月、晶文社から刊行された三木卓(1935~)の第エッセイ集。表紙写真は東松照明(1930~2012)「アスファルト」(1961)。 これはわたしの初めてのエッセー集だ。正直いってこんな本を作れることになるとはあまり考えていなかった。なにしろ、そのと…

衰耄する女詩人の日々 財部鳥子詩集

2006年11月、書肆山田から刊行された財部鳥子(1933~)の第10詩集。装幀は亜令。 中国のある詩人の随想集のなかに「日漸衰老的女詩人」というタイトルがあって、これは外国小説の中の人物のことらしいが、「日々老衰する女詩人」という言葉は私にとても魅力…

無音 丸本明子詩集

2000年6月、編集工房ノアから刊行された丸本明子(1929~)の第11詩集。装幀は納健。 第23回の、「A会」の案内状がとどく。 この二年半の問、心臓病で療養をしている主人は欠席の返信を出す。 学徒出陣で招集されて、終戦と同時にソ連へ抑留されて強制労働の…

船とその歌 安藤元雄詩集

1972年3月、思潮社から刊行された安藤元雄(1934~)の第2詩集。銅版口絵は駒井哲郎(1920~1976)、割付装本は入沢康夫(1931~)。 目次 船と その歌 煤 からす 森 銀杏 雨が降る 薄暮 顔 戸棚 樹 無言歌 帰郷 腕 魚を眠らせるための七節の歌・竝に反歌 お…

アトランティスは水くさい! 平田俊子詩集

1987年10月、書肆山田から刊行された平田俊子(1955~)の第2詩集。装画は高岸昇(1934~2000)。 ファーストキスは15の時でした。相手は同じクラスのK君です。その夜の交換日記に、K君はこう書いています。「どう書いたらいいんだろう。こんなときうまく書…

詩七日 平田俊子詩集

2004年7月、思潮社から刊行された平田俊子(1955~)の第8詩集。装幀は毛利一枝、装画はアジサカコウジ。第12回萩原朔太郎賞受賞作品。 この詩集は二〇〇二年二月号から○四年一月号までの二年間、『現代詩手帖』に連載した作品をまとめたものです゜ただし毎…

黄金文明 長島三芳詩集

1968年10月、黄土社から刊行された長島三芳(1917~2011)の詩集。 目次 黄金文明 黄金文明 喪の魂 寒い牛 秋の罐 冬の鏡 死 炎天の坂 不幸な栄螺(さざえ) 主体 碇 二重の鐘 日暮のスピード 残酷な夏の終に 残酷な夏の終に さみしい大仏 浮草たちは 夏の手…

魔楽 宇能鴻一郎

1969年9月、講談社から刊行された宇能鴻一郎(1934~)の短編小説集。装幀は前川直(1929~1988)。 目次 巨女渇仰 プラスチックの妻 公衆便所の聖者 ニヒル病患者 恍惚の玩具 魔楽 NDLで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

突然訪れた天使の日 リチャード・ブローティガン詩集

1991年4月、思潮社から刊行されたリチャード・ブローティガン(1935~1984)の飜訳詩集。翻訳は中上哲夫(1939~)。装釘は芦澤泰偉、装画はどとろきちづこ 装画家コーディネイト・今田美穂。 目次 鴉と藜(あかざ)から 愛から セクション3から 主役を欠い…

北窓ひらく 森山啓

1939年11月、教材社から刊行された森山啓(1904~1991)の長編小説。 「北窓ひらく」では中産階級の或家の没落を、少青年の心に映して描かうとした。「笹村一家」では、既に下層の方へ落ちてしまつたインテリゲンチアの家の青年男女を描かうとした。若しこの…

食後の唄 木下杢太郎詩集

1919年12月、アララギ発行所から刊行された木下杢太郎(1885~1945)の詩集。画像は復刻版。装幀は小糸源太郎(1887~1978)。 目次 食後の歌 金粉酒 兩國 珈琲 五月 朝の新茶 後街時調 該里酒 薄荷酒竝序 曇り日の魯西亞更紗 二月空 ざつくばらん 楂古聿 お…

心のてのひらに 稲葉真弓詩集

2015年3月、港の人から刊行された稲葉真弓(1950~2014)の第5詩集。装幀は関宙明。 目次 白い花 春そこから皮膚が 海をゆくものへの挽歌 (無題) シュポー 見えない列車 (無題) 椿を鎮める ことほぎ クラゲたち 冬の薔薇 ホントウのコト 方舟・2011 きょ…

誕生 手塚久子詩集

1965年3月、思潮社から刊行された手塚久子(1929~1989)の第8詩集。解説は安藤元雄と南川周三。 目次 1 足音 誕生 父母の像 いってみたい街 酷暑 ある断層 美紀 ある 死亡通知 溺死 海から帰って来た子供たち 化石の眠り 観音崎灯台 横須賀 冬空 雪の唄 死…

ねなしかづら ジュウル・ルナアル

1937年6月、白水社から刊行されたジュール・ルナール(1864~1910)作「ねなしかづら」(1892)の翻訳本。訳者は高木佑一郎(1895~?)、印刷者は綾部喜久二、製本者は中野和一。 目次 1 ヴェルネ氏 2 拔かるな! 3 ぽつりぽつりと 4 またもや文士が 5 入り…

冬去りなば 岡田三郎

1940年9月、人文書院から刊行された岡田三郎(1890~1954)の短編小説集。 目次 二百十日前 冬去りなば 春のたより 遺愛 なんぢやもんぢや 出發 雪 風 短刀 時計物語 NDLで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

晩年の坂口安吾 江口恭平

1964年1月、作家社から刊行された、江口恭平(1918~1998)による坂口安吾(1906~1955)の研究・評伝。装幀は近忠。 目次 坂口安吾と南川潤 坂口安吾と織田信長 坂口安吾年譜 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

勝負師 坂口安吾

1950年1月、作品社から刊行された坂口安吾(1906~1955)の短編小説集。 目次 小さな山羊の記録 精神病覚え書 日月様 行雲流水 退歩主義者 勝負師 わが精神の周囲 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

短歌的叙情 小野十三郎

1953年11月、創元社から刊行された小野十三郎(1903~1996)の評論集。 目次 韻からよみがえるもの 精神の中の短歌 短歌的叙情に抗して 新しい言葉の秩序とともに 奴隷の韻律 この短歌的なもの 弱い心 浪花節的旋律 叙情の変革について 俳句的表現について …

われら新鮮な旅人 長田弘詩集

1965年11月、思潮社から刊行された長田弘(1939~2015)の第1詩集。装釘飾画は野中ユリ(1938~)。 目次 †吊るされたひとに命令言葉と行為のあいだにはわれらの船フランス'60かなしみの海八月のひかり無言歌 ††春をみつける誤解多島海愛についてふたりの恋…