1938年6月、京文社書店から復刊された室生犀星(1889~1962)の評論集。
目次
(1) 詩は優しい春のやうな感情である
(詩の本質、精神の籠つた仕事)
(2) 詩は愛である
(愛あるもの、街や郊外)
(3) 一つの林檎
(林檎をどう詩にかくか、いろや勾ひ深き)
(4) 陰影、容積、深み、線、動くものについて
(作品の背景について)
(5) 新鮮なるものに就て
(新しい詩とは何か)
(6) 詩は自然の中に
(正しいもの、自然の凡ては詩の世界だ)
(7) 自由な詩、自由な口語
(七五調について,口語詩の内容について、詩の自由について)
(8) 唱歌をうたふ女童の心理について
(歌詞の自由をとり入れよ、美しい女童らのピアノを喜ぶ詩のやうな心)
(9) 眞と美とは詩の根本思想だ(その一)
(詩によつて擧げらわる美について)
(10) 眞と美とは詩の根本思想だ(その二)
(眞はいつはらない感情だ、詩は正直にかけ)
(11) 男性的な詩と女性的な詩(その一)
(大地に根をもつた詩、いつはらずに晝かれた詩)
(12) 男性的な詩と女性的な詩(その二)
(オオケストラのやうな詩、深大な詩)
(13) 詩と宗教について
(詩は一つの心の宗教である,善い人間に善い詩が生れる)
(14) 口語詩と文語詩との區別
(日常語について、生きたる言葉について)
(15) リズムとは何ぞや
(リズムの根ざすところ、精神の音樂、音樂の中の言葉、ヴヱルレーヌの詩)
(16) 詩を思ふ心
(詩を思ふ心ほど良い精神はない、私が初めて詩をかいた少年の頃の思ひ出
(17) 詩のやうな物語
(可憐な少女ボンタンのこと)
(18) 詩と生命感に就て
(詩についての信絛、未來への惱み)
(19) 詩と音樂の關係に就て
(美を求める信仰のあらはれ、精神に於て詩と音樂の共鳴すること)
(20) 旅行と散歩と
(旅を思ふことろ、原始生命にかへるこころ、伊香保紀そのほか)
(21) ノオトより
(愛の本體について、郊外生活の斷片および自然の美についての斷想)
(22) 抒情詩について
(抒情詩と抒事詩の關係、デエメル及びモレアスの詩、抒情小曲集から。)
(23) 散文詩に就て
(散文詩の主張、ツルダエネフ、ダンセニイ、ボードレエの散文詩)
(24) 近代科學と詩と
(建築、街路、飛行機、並木、文明の山、文明の野、マリセツテイの詩など)
(25) 戀および愛の詩
(人類の愛について、愛の詩の精神について、ハイネ、ミユツセ、ボール・フオール、グウルモンの詩、佐藤春夫氏、北原白秋氏、萩原朔太郎氏、室生犀星氏の詩)
(26) 林の中にて
(孤獨感について、靈魂の運動について)
(27) 詩人と郷土との關係に就て
(詩に現はされし郷土性について)
(28) 美しい詩とその評釋
(北原白秋氏、山村暮鳥氏、萩原朔太郎氏、佐藤惣之助氏、室生犀星氏、レニヱ、ソログープ、クラプント、メエテルリンク、サマン、ヴエルハアレン、パレモント、ニイチヱ、ボードレエル)
(29) 詩を多く讀み書くこと