實験室 北川冬彦詩集

 1941年2月、河出書房から刊行された北川冬彦(1900~1990)の詩集成。

 

 これは、今日までの私の詩の上の仕事の殆どすべてゞである。すなはち、六つの詩集「三半規管喪失」「檢溫器と花」「戰爭」「氷」「いやらしい神」「あたゝかい島にて」の諸篇と、最近の作を纏めた「大陸の雪は霏々として」とである。たゞし「三半規管喪失」からは「瞰下景」一篇だけしか、殘し得なかつた。「檢溫器と花」の半ばも、捨てた。「戰爭」の中では收錄を控へた作も若干ある。
 それから、原名詩集とは、配列の順序を變へたところがかなりある。配列のみならず、收容の詩篇にも原詩集とは異なるところ少なくない。
 なほ、實驗室というふ題名は、この詩集が、現代詩にはその內容を盛るにふさはしい詩形もあらばやと、模索探究ほうこうせる二十年近くの足跡の集成なるによつて、名づけたものである。
(「後記」より

 


目次

序にかへて

  • 「大陸の雪は霏霏として」(1939―1940)
  • 「あたたかい島にて」(1937―1938)
  • 「いやらしい神」(1934―1936)
  • 「氷」(1930―1933)
  • 「戰爭」(1926―1929)
  • 「檢温器と花」その他(1923―1926)
  • 「シネ・ポエム」(1939)

後記


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