1964年7月、まづ健康社から刊行された春野鶴子(1915~1981)のエッセイ集。
月刊「まづ健康」に掲載してきたものを抜すいして、ようやく一冊にまとめたのが「春夏秋冬」である。
「まづ健康」は手がけてから九年になるが、いつも主婦連合会の仕事に追われているため、おちついてものを書く時間がまことに少ないあけくれであった。それでも全国の愛読者にはげまされて、なまけることはできなかったわれながら、よく書き続けたものと感心するが、どの女も春夏秋冬われとわが身に言いきかせてきたものである。
こうして、発刊できたのも、実は熱心な誌友の西村真子さんが、数年にわたり毎号から書きぬきをして、出版をすすめて下さったのと、編輯を助けて下さる菅野亮子さんに、根気よく整理して貰ったおかげである。
自費出版なので、多くの友人から一方ならぬ御支援も頂いた。
温かい友情によって、生れた本である。
ほんとうに、ありがたいことである。
皆さまの身心の健康づくりに、この本が少しでも役に立つととがあれば、私にとって望外の幸せである。
(「序文」より)
目次
・生きる
- いのちを大切にしたい
- 生きるよろこび
- 仕事に全力でぶつかること
- 奪うものはほろび与えるものは栄える
- いのち尊し
- 六月のいぶき
- よろこびの発見
- 出て消える
- 生を守るコツ
- 母のなげき
- 人生とは
- 今日の一日:
- 四季の霊妙
- われらの念願
- 米について
・春
- 入学さまざま
- 毎日百円出し合う奨学資金グループ
- 天然肥料の再検討を
- 誇り高きお百姓さん
- 自然のありがたさ
- 私の玄米常用法
- 空気がおいしい
- 五体健康なものはかえって精進が足りない
- 養老院を慰問
- 松の芽が出た話
- まづ健康同人の薬草摘み
- 長崎の青のり
- ことば
- 米大富豪の自殺
- 彫刻家横井嘉純氏の死を悼む
- まづ健康例会について
- どうかと思う十円玉の卦
- 九重年支子さん
- 主婦のつくったつくだ煮
- コブをチュウインガムに
- 大根葉の効用
- 美しい光景
- 故郷の人々
- 日本の味は、素材の味
・夏
- 夏と柳行李
- 感心しない冷房設備
- ドイツ復興のかげに
- 田の草とりと爪
- 有難い愛読者
- ゴボーのおろし汁
- 赤銅の矢立
- つげの櫛
- 玄米とこぶ
- 人生のコツ
- 醤油番茶のおいしさ
- 不遇にまけずに
- 天然の水洗厠
- プラトン養生訓
- 人づくり
- 農薬禍
・秋
- 広島県の純正醬油
- 自然にさからえば
- 北海道で
- 天然水のカン詰
- 週刊新潮掲示板への返事
- 農薬と藁
- 生きようという強い意志で好転
- 山形と青森のつけもの
- 姉のこと
- 生命石
- 麻薬の恐しさ
- 朝に梅干の知恵
- 心の安定をうばう月賦販売
・冬
- 浅草の人情
- 家庭料理こそ最上
- 格調高いケネディ大統領の演説
- 自家製フリカケ
- 父のねがい
- 心づくしの雑巾
- 家移り
- 純正な食品をつくる人々
- 水牛に寄せる詩
- 十人の女傑の中に選ばれて
- 精神の枯渇を憂う
- 弓道の心
- 漢方の故事
- 一円を笑ふものは、一円に泣く
- 家康の家訓
- 節分
- 食品添加物の害
- 近頃の心温るニュース
- 今年の福笑い
- 明珍の火箸:
- 恩師との再会に若き日を偲ぶ
・私のえらんだ座右銘