1973年4月、サンリオ出版から刊行された吉原幸子(1932~2002)の第4詩集。第4回高見順賞受賞作品。
これは前詩集「オンディーヌ」のあと、五年にわたる作品の一部である。
この時期、私は変った。かつて「詩は排泄だ」とうそぶいてゐた私も、やっと世界をそのまま呑み下し、完全消化することを覚えた。私の胃が健康になったのか、それとも食べすぎなくなったのか。――徐々に、ことばは私から遠ざかりつつある。私はそれを悲しんでゐない。(「NOTE」より)
目次
Ⅰ――'67~'70
- 復活
- 独房
- 凶器
- 犬
- 吐かせて
- 通過Ⅰ
- 通過Ⅱ
- 通過Ⅲ
- 通過Ⅳ
- 通過Ⅴ
- 通過Ⅵ
Ⅱ――'70~'72
- ある夜
- 告白が
- 距離
- 誕生
- ……
- 液体Ⅰ~Ⅲ
- 共犯
- 非力
- 街
Ⅲ――'67~'72