1994年10月、思潮社から刊行された財部鳥子の詩集。装幀は金山常吉、表紙はバティックG・リランガ。
B5のノートを一冊と文庫版の虚子の句集をショルダーバッグに入れて、東アフリカのタンザニアへ親族をたずねて一人で出かけたのはもう四年も前のことになります。そのノートへ書きこんだ日記とも詩ともつかないものを整理して、一冊の詩集にまとめることができました。日記だから日付の順にならべてあります。
赤道に近い緑ゆたかなタンザニアはまったく見知らぬ異国、しかしそこでは私はどこの国の人でもなく、その日、出会った人の友人であるらしいのでした。その友人の一人リランガ氏の精霊のパティックを表紙に飾りました。
(「あとがき」より)
目次
- モンバサ
- 内陸の一点
- 雲
- おしゃべり
- 内陸の一点
- 奴隷のようだが
- 隠れ家……
- つばめの空港
- 犬が吼えだした
- 眠れないディスコの夜
- 神
- 精霊入門
- クワマの夢
- 唄――
- 雨
- ゴシップ
- 大きな草
- 日曜日
- セレナーデ
- マンゴーのリズムで通る
- 午睡の習慣
- わたしのせいじゃない
- 急にできた空隙に
- 天のレプラ
- ンデゲが巣にいる夕方
- 一日そして一日
- 溶けている南半球
- 吃るスーベニア
- アーメッドの雨期
あとがき