1990年6月、編集工房ノアから刊行された沢田閠の遺稿詩文集。装幀は粟津謙太郎。編集委員は北川荘平、島田尚一、福田紀一、山田稔。
目次
Ⅰ冬から春へ
- 冬から春へ
- ぼくのヴァイキング
- 女について
- 昭和二十年の日記
- オヤジとぼく
- 思い出と母
- 夏休み昼寝のウワゴト
- 人物と仕事
- オノマトペについて
- ルーチンと深夜タクシー
- 人とのつきあい
- テレビの歌謡曲スター
- ひと恋し
- 身辺雑記風
- 同窓会のこと
- 別れ
Ⅱ
- なめくじ
Ⅲ詩五篇
- 高架の上の赤い三角の月
- カタロニアのフラメンコ舞踊
- 帰国
- 脊椎の痛み
- 昔のガールフレンド
Ⅳ日本小説を読む
- 太宰治の再評価
- 「政治家」の人間研究
- 女をえがく――荷風その他
- 生理の感覚――野間・大江・倉橋
- 謎の女・梢葉子
- 有島武郎『或る女』
- 方法と思想――深沢七郎の場合
- 感覚からの脱出――吉行淳之介その他
- 岡本かの子 『やがて五月に』
- 事件と情感――『忍ぶ川』から『日本の黒い霧』まで
- タンカ文章・クドキ文章――小田実と幸田文
- 色情の非小説性――外村繁の場合
- 運動の軌跡――開高健のために
- アポロジイとしての小説――吉行淳之介 『闇のなかの祝祭』
- 吉行淳之介『暗室』
- スマートな江藤君――『小林秀雄』を読む
- 女流作家のロマネスク――『高慢と偏見』 と 『迷彩』
- 実学と市民と政治――松田道雄先生の場合
- 寓意と心象――井伏鱒二・伊藤整・安部公房
- 安部公房『砂の女』
- 徳田秋声『仮装人物』
- 横光利一『上海』
- 水上勉『決潰』と島尾敏雄『死の棘』
- 島尾敏雄 『徳之島航海記』と『出発は遂に訪れず』
- 小島信夫『抱擁家族』
- 舟橋聖一『好きな女の胸飾り』
- 阿部知二『冬の宿』
- 庄野潤三『プールサイド小景』 90
- 村上龍『限りなく透明に近いブルー』
- 日本小説とわたし
- 円地文子論――ひもじさの虚脱
略年譜
編集をおえて