
2023年12月、ふらんす堂から刊行された小笠原眞(1956~)の第7詩集。装幀は君嶋真理子。著者は十和田市生まれ。刊行時の著者の住所は十和田市。
詩が好きでたまらないのに、なかなか詩を書けないのは何事につけても面倒くさがり屋のこの性格に起因しているような気がする。だから、締め切りがないと詩を書こうとしないのは当然の成り行きで、「上十三医師会誌」の年四回、「青森県詩集」並びに「詩と思想」の年一回は貴重な締め切り日としてぼくのなかでは君臨している。ならばもっと色々な同人誌に加入して執筆の機会を増やせばよいのだろうが、それも多忙にかまけて積極的にはなれず今に至っている。
そんな折、今年の初めに弘前の詩誌「亜土」を編集されている工藤浩司さんから同人加入のお誘いを受けた。平成二十七年に「朔」が終刊となってから無所属になっていたぼくは渡りに船とその勧誘をありがたくお受けし、早速一一七号から参加させていただくことになった。
前詩集発刊から六年の歳月が過ぎ、寡作とは言え五十七篇の詩篇が集まったので、その中から三十三篇を選んでまとめてみた。今回の詩集で七作目となるが、青春時代のシュールな詩から遊戯的な詩、そして現在の日常的な詩風へとその作風も年齢とともに変化してきたように思う。これからも変化して行くのかもしれないが、目下のところは今の作風で書いて行こうと思っている。詩集作成は今回もふらんす堂にお願いした。いつも素敵な詩集に仕上げてくださる社主の山岡喜美子氏、装幀者の君嶋真理子氏、スタッフの横尾文己氏に深く感謝いたします。
(「あとがき」より)
目次
- 目下のところ
- 詩はどのようにして生まれるのか
- 鷺の恩返し
- 装幀思案
- 郭公
- タイムロス
- 続・ぼくの在籍した同人誌
- 墓碑銘
- 熟成詩
- ぼくの在籍した同人誌
- どんな詩も
- じーじは?
- 忍ぶ川
- 引き算から生まれる幸せ
- ぼくの家
- 杜のすず
- 井川さんの八戸旅
- ハカ
- 負の遺産
- 桜ソング
- 人生は
- 遺跡巡り
- 景福宮
- 科学がどんなに
- シュールな青春時代
- 医学と文学
- ピラ砂丘
- 医師の勘
- 衣食住
- 鼻出血
- メメント・モリ
- 橋を観に行った
- 虎猫と鴉
あとがき