

1978年5月、青柿堂から刊行された山口静子の第2詩集。装幀は谷口晴重。
この「ファルス」は私の第二詩集です。一九五八年七月発行の詩画集「わが領土」以来、約二十年ぶりのことになります。
すでに生まれ出てしまった作品にはあまり抱泥しないはずの私ですが、しかし、今回、詩集を出すにあたって自作をまとめて通読した結果、おぞましさに身がすくみました。
作品が、時の流れと共に変化しているようでいて、変化し得ない核のようなものを発見し、また、生身の私は確実に変化していることへの、一種の痛みを伴う思いがあります。
今回の作業は、少くともかなりの勇気を必要とするものであり、また、それゆえにこそ、このような詩をまとめて発表するという必要性もあるように思えました。
Ⅰの「VIKING」は、同人雑誌VIKING(一一四号~二〇三号)に発表したもの、そして、Ⅱの「時のまにまに」は、いつとなく今日迄に書きためた未発表の作品です。
年月ばかりをいたずらにむさぼる怠惰のきわみのような私のために、今回の詩集の出版を引受けて下さった菁柿堂の高橋正嗣氏のご好意に対し深く感謝するところです。また、VIKING・CLUBを通じ日頃から有形無形の教えを受けている富士正晴氏、井口浩氏には、お心のこもった跋を頂き、ありがとうございました。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ VIKING
- 呼びかけ
- 海
- 断片
- 三月
- 四月
- 飢餓術師
- ファルス
- 傾く
- 純粋信号
- 葉っぱの子
- 記録
- 悲しみ
- 秋
- 疾駆
- 海辺の詩
- ラムール
- 一九六〇年
- つもる
- 顔
- 知らない
- 街に
- 輪なげをしませんか
- ギャンブル
- マイクロ・マイクロ
- 消えてしまえ
- シャンソン
- 大風のように
- こころの海
- あたらしい秋
- ピエロあなたに
- 石となる
- 手
- 遠く――或いはここで
- 夏
- 光条
- 一九六四年十月――東京
- 虹と銃口
- 病む
- 空
- 春のおんな
- 彼岸
- 喫茶店で
- 春野
Ⅱ 時のまにまに
- 唄1そんないっとき
- 2恋ごころ
- 3風
- 4愛、あるいは
- 5どこへ
- 6空
- 7青のいっとき
- 8空の1
- 9空の2
- ありか