1975年7月、私家版として刊行された内山義朗の第3詩集。著者は本郷元町生まれ、刊行時の住所は田無市緑町。早稲田大学図書館勤務。
〈ひとときの永遠〉こそ、私の形而上的な思想であり、私の詩作の主題(モチーフ)である。それは、現在を永遠から観(み)るといふ発想であり、自己のなかに宇宙の無限の声を聴くといふ意味である。
〈無限の人〉として、私はこの思索を日々の生活の中で深めつつ、詩本来の次元を高めてゆくことを念じてみる。
吉田一穂先生が逝かれて、私は孤独の詩人として生きる決意を新たにした。その自内証の上に立って、今後この思索詩を大自然の中で展開してゆくつもりである。
定年退職を新しい出発として、第三詩集を刊行するに際し、いままで幾多の善き友の温かな御好意に対して、ここに心から厚く感謝を申し上げます。
(「あとがき」より)
目次
序
- 蝉
- 緑の思想
- キノコ雲
- 定年
- 冬山
- 道
- 自然
- 生涯
- 大学図書館
- 無限の人
- 老人と死
- むすび
あとがき