1967年8月、角川書店から刊行された小野十三郎(1903~1996)の21冊目の著書。
万国博は、東京ではなく大阪で開催される。大阪が、政治、経済、文化的に日本歴史上で果たしてきた役割は大きい。そして、それは今後も約束されているように思われる。だが、はたしてそれは本当か。大阪は没落するのではないか。
本書は、大阪市井に根をはり大阪を描きつづけてきた詩人が、この大阪に非情のメスを入れる。著者は、「ど根性」「がめつい」とか「のれん」「文楽」とかいう概念が大阪を支えているということを否定し、そんな上方情緒はすててしまえと叫ぶ。
目次
・葦の地方
・文学は大阪をとらえたか
・食いだおれの錯覚
・大阪の文化と文化人
・「スモッグ破る緑の大木」
・大阪の庶民精神とは
・伝統文化と生活の断層
・京都と奈良は大阪の何か
・大阪の文化に望むもの
・残しておきたいもの
・大阪は没落するか
・「庶民」からの解放
・都会の中の農村
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