半世界の 北條裕子詩集

 2023年7月、思潮社から刊行された北條裕子の第5詩集。刊行時の著者の住所は福井県坂井市

 

 今、いる場所が、自分が本来在るところとは思えない。もっと別の息のしやすい、殺戮や侵攻やパンデミックのない地平、そこにいたいという希求にかられて、これらの詩篇を書いた。
 その場所は確かに在るとは断言できないものの、郷愁のように懐かしく、本来在ったものとして、私の脳や細胞や遺伝子に刻まれている。無記名のきみやぼくもそこにはいて、みつめあい・抱きあうという行為で、お互いを確かめあい・損ないあっている。その傷でさえも在るということの証だ。
 詩として表す際に、それらをとりこぼしてしまうのではないか、独りよがりになっていはしまいかという葛藤と疑念を感じつつ、見えない大きなものの手に導かれ、どうにか一冊のかたちに纏めることができた。
(「あとがき」より)

 

目次

  • 花茨
  • 水底
  • 年縞・みずうみ
  • 声・遠くからの
  • 果てまで
  • 信号
  • 冬空
  • 通俗
  • 相聞
  • 錦秋
  • 反転
  • 日に背いて
  • この頃
  • 訪れる
  • 還る場所
  • 魚住期
  • 夢淵
  • 回廊めぐり

あとがき


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