
1990年8月、編集工房ノアから刊行された玉置保巳(1929~)の第4詩集。装幀・装画は早川司寿乃。著者は新宮市生まれ、刊行時の著者の職業は同志社女子大学教授、住所は京都市左京区。
第三詩集『石垣の上の家』を出してから、まもなく九年にならうとしてゐる。この間、詩誌「アルファ」、「ラヴィン」、「燔祭」、「文學館」などに発表した作品の中から三十一篇を選んだ。作品の順序は必ずしも発表年代順にはなってない。
装幀とカットをお願ひした早川司寿乃さんは新進のイラストレーターである。彼女のイラストには、よく魚と話してゐる妖精のやうな少女や、また、その話に聞き入ってゐる河童や、小さな土星たちが登場する。そこに海が描かれてあるわけではないのに、私は何故か、いつも海を感じてしまふ。早川さんに装幀をお願ひしたのは、じつはこの明るくて不安な海の感じのせいなのである。
三年前に短篇集『リプラールの春』を出していただいた編集工房ノアの涸澤純平氏に、このたびの詩集も一方ならぬお世話になった。行き届いたご助言と配慮をいただいたことを厚く御禮申し上げる。
(「あとがき」より)
目次
- 海へ
- 星
- 鸚鵡貝
- 青い蝶
- 昆虫学者
- 見学
- 祖父
- 夢の中の町
- おばちゃん
- 昨日の出来事
- 散歩
- 新婚の頃
- 薇医者
- 妻の願ひ
- バオバブ
- ヤモリ
- 月見草
- 古城の春
- 新しい町
- 天使のオシッコ
- 雄鷄
- 豊年エビ
- 蛙
- 夢(一)
- 夢(二)
- 裏木戸の方へ
- 夜汽車の窓
- ちひさな場所
- 狒狒少年
- 放課後
- 春を待ちつつ
あとがき